ブラックジリアンズ

ブラックジリアンズ：総合格闘技界に名を刻んだフロリダのチーム

ブラックジリアンズは、アメリカ合衆国フロリダ州ボカラトンに本部ジムを置いていた、世界的に有名な総合格闘技チームでした。数々のUFC王者を輩出したことで知られ、その栄光と挫折の歴史は、格闘技ファンの間で語り継がれています。

チームの設立と隆盛

ブラックジリアンズの起源は、アメリカン・トップチームを離脱した選手たちの新たな拠点を模索する動きに遡ります。元マネージャーであったグレン・ロビンソンが中心となり、ジェシアス・カバウカンチやジョルジ・サンチアゴといったトップ格闘家を擁し、インペリアル・アスレチックス内にチームを設立しました。その後、ラシャド・エヴァンスといった著名な選手も合流し、チームはJACOハイブリッド・トレーニング・センターへと拠点を移転。チーム名は、当時の所属選手の多くが黒人とブラジル人だったことに由来しています。

ブラックジリアンズは、類まれな才能を持つ選手たちと、質の高いコーチングスタッフによって支えられました。ヘンリー・ホーフトを筆頭とするコーチ陣は、選手たちの技術向上に大きく貢献。その結果、UFCを始めとする世界の格闘技シーンで、ブラックジリアンズ所属選手たちは圧倒的な強さを誇示するようになりました。

黄金期を支えた選手たち

ブラックジリアンズには、数々の世界王者、そして名だたるトップファイターが所属していました。

UFC王者：ラシャド・エヴァンス（ライトヘビー級）、ビクトー・ベウフォート（ライトヘビー級）、カマル・ウスマン（ウェルター級）、ルーク・ロックホールド（ミドル級）、エディ・アルバレス（ライト級）
Bellator王者：マイケル・チャンドラー（ライト級）
* その他：ギルバート・バーンズ、ヴォルカン・オーズデミア、マイケル・ジョンソン、アンソニー・ジョンソン、デレク・ブランソン、ビセンテ・ルケ、ミゲール・トーレス、アリスター・オーフレイム、ジョルジ・サンチアゴ、ジェシアス・カバウカンチ、アントニオ・シウバ、メルヴィン・ギラード、マット・ミトリオン、セザール・フェレイラ、シアー・バハドゥルザダ、ステファン・ストルーフェ、チアゴ・シウバ、ルイス・ブスカペ、アウンラ・ンサン、マーティン・ニューエン、コスモ・アレキサンドラ、佐藤天、ギレルモ・リゴンドウ、タイロン・スポーン、リコ・ベホーベン、グーカン・サキ、ダニエル・ギタ、ロビン・ファン・ロスマレン、マーセル・グローエンハート

これらの選手たちは、ブラックジリアンズというチームのアイデンティティを形成し、世界中の格闘技ファンにその名を轟かせました。

分裂と終焉

しかし、2017年頃からチーム内部に亀裂が生じ始めます。ロビンソン代表とホーフトコーチをはじめとするコーチ陣との間で、チームの方向性を巡る意見の相違が拡大。最終的に、ホーフトが新たなチーム「ハードノックス365」（現キルクリフFC）を設立すると、多くの所属選手が移籍するという事態に発展しました。

そして2018年9月20日、創設者であり代表でもあったグレン・ロビンソンが心臓発作のため急逝。これにより、ブラックジリアンズは事実上その歴史に幕を閉じました。

ブラックジリアンズの遺産

短命に終わったチームではありましたが、ブラックジリアンズが総合格闘技界に残した功績は計り知れません。数々の王者を輩出し、多くのトップファイターを育成したブラックジリアンズは、格闘技史にその名を刻む、重要なチームの一つと言えるでしょう。その歴史は、後世の格闘家たちにとって、大きな刺激と教訓を与え続けることでしょう。

もう一度検索