ラシャド・エヴァンス

ラシャド・エヴァンス（Rashad Evans、1979年 9月25日 - ）は、アメリカ合衆国出身の総合格闘家です。ニューヨーク州ナイアガラフォールズで生まれ、フロリダ州を拠点に活動していました。サンフォードMMAに所属し、元UFC世界ライトヘビー級王者、そしてTUF 2ヘビー級優勝者として知られています。その功績からUFC殿堂入りも果たしています。ラシャード・エバンスと表記されることもあります。

生い立ちと格闘技キャリアの始まり

身長180cmと総合格闘家としては小柄ながら、The Ultimate Fighter 2のヘビー級トーナメントで優勝を果たし、その後無敗でUFC世界ライトヘビー級王座を獲得しました。彼の格闘技キャリアは幼少期の空手経験から始まり、ナイアガラ・ウィートフィールド高校時代にはレスリングで2度のニューヨーク州王者となり、州代表にも2度選出されました。その後、NJCAAでは1999年に4位、2000年には王者となり、ミシガン州立大学ではNCAAディビジョン1で通算48勝34敗の戦績を残しました。

元UFCスーパーファイト王者のダン・スバーンの指導の下で総合格闘技を始め、2004年にプロデビュー。小規模な大会で5戦全勝を記録し、その活躍が認められThe Ultimate Fighterへの出場が決まりました。

The Ultimate Fighterでの躍進

2005年、UFCのリアリティ番組「The Ultimate Fighter」シーズン2に参加し、リッチ・フランクリンのチームに所属。身長が参加者の中で最も低く、体重も2番目に軽かったため、常にアンダードッグと見なされていました。しかし、トム・マーフィー、マイク・ホワイトヘッド、キース・ジャーディンに勝利し、ヘビー級トーナメント決勝に進出。決勝では身長201cmのブラッド・アイムスに判定勝ちし、UFCとの契約を勝ち取りました。

UFCでの活躍

2006年4月、UFC本戦デビュー戦でサム・ホーガーに判定勝ち。この試合からライトヘビー級に階級を下げました。その後、ステファン・ボナーにも判定勝ちを収めました。2007年にはショーン・サーモンにKO勝ちし、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞。ティト・オーティズとの試合はドローとなりましたが、マイケル・ビスピンに判定勝ちし、彼のキャリア初黒星を付けました。チャック・リデルとの試合ではKO勝ちを収め、再びノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞しました。

UFC世界ライトヘビー級王座獲得

2008年12月、UFC 92で王者フォレスト・グリフィンに挑戦し、TKO勝利でUFC世界ライトヘビー級王座を獲得。この試合はファイト・オブ・ザ・ナイトにも選ばれました。

王座陥落とその後

2009年、リョート・マチダにKO負けを喫し、王座を失いました。その後、The Ultimate Fighterシーズン10でヘッドコーチを務め、クイントン・"ランペイジ"・ジャクソンとの因縁を深めました。ジャクソンとの対戦は実現し、判定勝ちを収めています。2011年にはチームを移籍し、元チームメイトのジョン・ジョーンズとの対戦がきっかけで軋轢が生じたことが示唆されています。ティト・オーティズとの再戦ではTKO勝ちを収めました。その後、フィル・デイヴィスに判定勝ちし、ジョーンズへの挑戦権を得ましたが、王座奪還には至りませんでした。

キャリア晩年と引退

その後、アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラに連敗、ダン・ヘンダーソン、チェール・ソネンに勝利。2015年からは怪我の影響もあり試合がなかなか組めず、復帰後もライアン・ベイダー、グローバー・テイシェイラに敗れました。2017年にはミドル級に階級を下げましたが、2連敗。ライトヘビー級に戻った後も敗れ、5連敗を喫しました。2018年に現役引退を表明しましたが、2022年にEagle FCで復帰し、勝利を収めました。2019年にはUFC殿堂入りを果たしています。

ファイトスタイルと人物

エヴァンスは、スピーディーで重い打撃と高いレスリングスキルを持ち、テイクダウンからのパウンドを武器とする、スタンド、グラウンド共に穴のないスタイルを持つ選手として知られています。現役時代からUFCのコメンテーターも務めており、弟のランス・エヴァンスも総合格闘家です。

主な獲得タイトルと表彰

Dangerzone 26 優勝（2004年）
Gladiator Challengeライトヘビー級トーナメント優勝（2004年）
The Ultimate Fighter 2 ヘビー級トーナメント優勝（2005年）
第9代UFC世界ライトヘビー級王座（2008年）
UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト（2回）
UFC ノックアウト・オブ・ザ・ナイト（2回）
UFC ノックアウト・オブ・ザ・イヤー（2008年/チャック・リデル戦）
UFC殿堂入り（2019年）
SHERDOG ファイター・オブ・ザ・イヤー（2008年）
SHERDOG ノックアウト・オブ・ザ・イヤー（2008年/チャック・リデル戦）

その他の活動

映画「デス・ウォーリアー」（2009年）、「ウォーリアー」（2011年）に出演。マイクロソフトやマッスルファームのCMにも出演しています。

外部リンク

ラシャド・エヴァンス (@SugaRashadEvans) - X（旧Twitter）
UFC 選手データ
MMAjunkie 選手データ
ラシャド・エヴァンスの戦績 - SHERDOG（英語）

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