チェンバーズ・ベイ・ゴルフコース

チェンバーズ・ベイ・ゴルフコース：自然と戦略が融合するリンクススタイルの名門

チェンバーズ・ベイ・ゴルフコースは、アメリカ太平洋岸北西部、ワシントン州タコマの南西に位置するユニバーシティプレースにあります。ピアース郡が所有するこのパブリックコースは、2007年6月23日にオープンしました。イギリスの伝統的なリンクススタイルを模したコース設計と、全米オープン開催という実績から、国内外のゴルフファンから注目を集めています。

設計：全米オープンを視野に入れた挑戦

設計はロバート・トレント・ジョーンズ・ジュニアが担当しました。3.8平方キロメートルの郡立公園の中心に位置し、そのうち1平方キロメートルの敷地をコースが占めています。この土地はかつて砂と砂利の採取場であり、オフロード車やダートバイクの愛好家が集まる場所でした。ピアース郡はここを3300万ドルで買収し、ゴルフコースへと生まれ変わらせました。

設計にあたっては、全米オープンの誘致が目標とされ、設計コンペでは全ての事務所がイギリスのリンクスコースをモデルにしたプランを提出しました。芝には、海岸性気候に最適なフェスキュー（細く長い洋芝）が用いられています。これはイギリスでは一般的ですが、アメリカ国内では珍しい選択です。

2015年の全米オープン開催時には、コースの設計に対して選手や関係者から多くの意見が出ました。特にグリーンのアンジュレーションは厳しく評価され、ゲーリー・プレーヤーは、一般のゴルファーがプレーするパブリックコースとしては難易度が高すぎると指摘し、ゴルフ人口への悪影響を懸念しました。

造成：鉱山跡地の変貌

コース造成中には、110立方メートルの土砂（トラック10万台分相当）が取り除かれ、整地後にコースを形成するために戻されました。当時、この土地はまだ鉱山として登録されていたため、コース造成にはいくつかの制限が課せられました。

レイアウト：戦略性と景観美

各ホールには5つのティーグラウンドが設けられ、コースの全長は5,250ヤードから7,585ヤードまで変化します。ピアース郡の公営コースであるため、郡内在住者には利用料金の割引があります。コース内は歩行のみが許可されており、キャディーをつけることができます（オプション）。電動カートは、疾患のある方や障害者の方のみ利用可能で、必ずキャディーが運転する必要があります。

グリーンにはエッジがなく、フェアウェイから直接グリーンへとつながるシームレスな設計が特徴的です。

コース内には木が一本しかありません。それは15番ホールのグリーンの後ろにあるベイマツです。

運営と周辺環境

コースの運営は、イリノイ州ノースブルックに本社を置くケンパースポーツ管理会社が主導しており、オレゴン州南部の沿岸部にあるバンドン・デューンズ・ゴルフ・リゾートも関わっています。

チェンバーズ・ベイはチェンバーズ川公有地の一部であり、ゴルフ以外のレクリエーション施設も充実しています。全長5キロメートルの遊歩道がゴルフコースの西側を横切っており、ゴルフをしない人も自然を楽しめる空間となっています。

大会：全米オープン開催コース

チェンバーズ・ベイは、2010年の全米アマチュアゴルフ選手権と2015年の全米オープンの会場となりました。全米オープン開催は、2008年初頭に全米ゴルフ協会によって決定されました。

2010年の全米アマでは、コース長7,742ヤード、パー71として設定され、当時のUSGAにおける最長記録となりました。この記録は翌年、エリンヒルズによって18ヤード更新されています。

2015年の全米オープン開催の11ヶ月前には、USGAが最終ラウンドとウィークリーチケットが完売したと発表しました。2022年には全米女子アマが開催されています。

チェンバーズ・ベイ・ゴルフコースは、その美しい景観と戦略的なコースレイアウトで、あらゆるレベルのゴルファーに挑戦と感動を与えてくれるでしょう。

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