チェヴァリーパークスタッド

チェヴァリーパークスタッド：サラブレッドの聖地、その歴史と名馬たち

イギリスのサフォーク州ニューマーケットに位置するチェヴァリーパークスタッドは、サラブレッドの生産、種牡馬の繋養、そして競走馬の所有を一体的に行う、由緒ある牧場です。その歴史は古く、10世紀のアゼルスタン王による馬産記録にまで遡ると言われています。

19世紀には第5代ラトランド公爵ジョン・マナーズの所有となり、彼の時代に生産された競走馬はイギリスのクラシック競走で4勝を挙げました。オークス、1000ギニーといった名門競走を制覇した馬たちが、この地で生まれたのです。1811年のオークス馬ソーサリー、1816年の1000ギニー馬ローダ、そして1828年には二冠馬カドランドがその栄光を刻みました。

1892年、ハリー・マッカルモントがラトランド公爵家からこの地所を購入し、現在も使用されている多くの厩舎を建設しました。マッカルモントの時代には、1893年の三冠馬アイシングラスを輩出。その獲得賞金は、1952年にタルヤーが更新するまで破られませんでした。これは、チェヴァリーパークスタッドがいかに名馬を生産してきたかを物語る偉業と言えるでしょう。

マッカルモントの死後、チェヴァリーパークスタッドは1921年に調教師ロバート・シャーウッドに売却され、その後、シャーウッドの秘書アルバート・スタッフォード＝スミスを経て、1975年からはデイヴィッド・トンプソンとパトリシア・トンプソン夫妻の所有となりました。トンプソン夫妻の時代には、ピヴォタル、メディシアン、ラシアンリズムといったG1競走を制した名馬が生産され、チェヴァリーパークスタッドの伝統はさらに輝きを増しました。

主な生産馬

ゼネラリスト（1996年シンザン記念、1997年金鯱賞）
ピヴォタル（1996年ナンソープステークス）
リーガルローズ（2000年チェヴァリーパークステークス）
ヴァーチャル（2009年ロッキンジステークス）

主な所有馬

ピヴォタル（成績は上記参照）
エクスクルーシブ（1998年コロネーションステークス）
リーガルローズ（成績は上記参照）
ラシアンリズム（2003年コロネーションステークス）
ナンニナ（2006年コロネーションステークス）
ヴァーチャル（成績は上記参照）

主な繋養馬

種牡馬

ダッチアート（2008年 - ）
メイソン
トワイライトサン
ユリシーズ

繁殖牝馬

ラシアンリズム（2005年 - ）
コンフィデンシャルレディー

過去の繋養馬には、数々の名種牡馬や繁殖牝馬が名を連ねています。その中には、G1競走で活躍した馬も多く含まれ、チェヴァリーパークスタッドがサラブレッドの歴史にいかに貢献してきたかが分かります。

チェヴァリーパークスタッドは、長い歴史と伝統を誇るサラブレッド生産牧場として、これからも多くの名馬を輩出し続けることでしょう。その歴史と功績は、競馬ファンにとって永遠に語り継がれるべきものです。

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