ラシアンリズム

ラシアンリズム(Russian Rhythm)は、2000年2月12日生まれのイギリスのサラブレッド競走馬です。その華麗な競走生活と類まれな才能から、イギリス競馬史に名を刻む名牝として知られています。

2001年、タターソールズホートンイヤリングセールにおいて高額で落札され、サー・マイケル・スタウト調教師の厩舎に入厩しました。2002年、デビューから3連勝を飾り、将来を嘱望される存在となりました。G1競走初挑戦となったチェヴァリーパークステークスでは惜しくも2着となりましたが、その実力は早くから認められていました。

2003年は、クラシック戦線への挑戦が始まりました。プレップレースを挟まず、いきなり1000ギニーに挑んだラシアンリズム。このレースには、前年のカルティエ賞最優秀2歳牝馬シックスパーフェクションズや、フィリーズマイル勝ち馬ソヴィエトソングなど、錚々たるメンバーが名を連ねていました。5番人気とやや低評価でしたが、後方から鋭く脚を伸ばし、シックスパーフェクションズに1馬身半差をつけて圧勝しました。

続くコロネーションステークスでも、再びソヴィエトソングと激しく競り合い、最後は突き放してレコードタイムでの勝利。勢いに乗るラシアンリズムは、古馬との初対戦となったナッソーステークスでも勝利し、G1競走3連勝という快挙を達成しました。クイーンエリザベス2世ステークスではファルブラヴに敗れ、チャンピオンステークスでも5着と敗戦を喫しましたが、その年の活躍は高く評価され、後にブリーダーズカップ・マイルを制するシックスパーフェクションズを抑え、カルティエ賞最優秀3歳牝馬に選出されました。

2004年、牡馬相手となるロッキンジステークスから始動し、見事勝利を収め、G1競走4勝目を挙げました。その後、クイーンアンステークスへの出走が予定されていましたが、怪我のため回避。サンチャリオットステークスへの出走を目指して調整されましたが、残念ながら復帰は叶わず、2004年9月21日に引退が発表されました。ラシアンリズムが1000ギニーで破ったソヴィエトソングや、アメリカで活躍したインターコンティネンタルといったライバルたちが、その後も欧州やアメリカで活躍したことで、ラシアンリズムの競走成績の価値は、さらに高まりました。

引退後はチェヴァリーパークスタッドで繁殖牝馬となりました。2006年には初仔となる牝馬（Barynya）を出産。2007年には2頭目の牝馬（Safina）を出産しています。

ラシアンリズムは、プリティーポリー系に属し、近親にはアイリッシュオークス優勝馬Alydaresや、1000ギニー優勝馬Shadayidなど名馬が名を連ねています。その血統背景からも、ラシアンリズムの卓越した能力がうかがえます。

短くも輝かしい競走生活を送ったラシアンリズムは、数々の名勝負を残し、多くの競馬ファンに感動を与えました。その名は、これからもイギリス競馬の歴史に刻まれ続けることでしょう。彼女の血統は、未来のサラブレッド競走馬たちへと受け継がれていきます。

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