チャバラオオルリ

チャバラオオルリ（茶腹大瑠璃）

チャバラオオルリ（学名：Niltava vivida）は、スズメ目ヒタキ科に分類される鳥の一種で、その美しい色彩が特徴です。主に東アジアから東南アジアにかけての地域に生息し、日本では非常に珍しい鳥として知られています。

形態

チャバラオオルリの全長は約18〜19cmです。オスとメスで羽の色が異なり、特にオスの特徴が顕著です。

オス: 胸から腹にかけて鮮やかな橙色をしています。この色彩が名前の由来となっています。体の上面は青みがかった色をしています。
メス: オスに比べて地味な色合いで、全体的に緑褐色をしています。

分布

チャバラオオルリは、主に以下の地域に分布しています。

台湾
中国中南部
インドシナ半島北部

日本では、非常に稀な記録例しかありません。これまでに確認されたのは、以下の2例です。

1. 1989年: 沖縄県糸満市の西崎中学校でオス1羽が保護されました。
2. 1998年: 沖縄県与那国島でオス1羽が観察されました。

これらの記録は、チャバラオオルリが迷鳥として日本に飛来することがあることを示唆しています。

亜種

チャバラオオルリには、以下の亜種が存在します。

Niltava vivida vivida（Swinhoe, 1864）：基亜種で、主に台湾に分布しています。日本で確認された個体は、この亜種であると考えられています。
Niltava vivida oatesi（Salvadori, 1887）：主に中国、インドシナ半島北部に分布しています。この亜種は、独立した種として分類されることもあります。

亜種間の形態や分布には差異が見られ、分類に関しても議論が続いています。

生態

チャバラオオルリは、主に以下の環境に生息しています。

山地の森林

陸生であり、森林内で昆虫や果実などを食べて生活しています。繁殖期には、木の枝や茂みの中に巣を作り、卵を産んで子育てをします。

世代の長さ: 約3.2年

保全状況

チャバラオオルリは、生息地の森林破壊や環境汚染などの影響を受けている可能性があります。国際自然保護連合（IUCN）のレッドリストでは、保全状況が評価されています。

関連情報

ヒタキ科: チャバラオオルリが属する科
オオルリ: 同じヒタキ科の鳥で、美しい青色の羽が特徴
コルリ: 同じヒタキ科の鳥で、小型で可愛らしい姿が特徴
コチャバラオオルリ: チャバラオオルリに似た種

参考文献

永井真人 『鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670』（第2版）文一総合出版、2016年

外部リンク

* Niltava vivida (amended version of 2016 assessment). The IUCN Red List of Threatened Species

チャバラオオルリは、その美しい姿と珍しさから、バードウォッチャーにとって憧れの鳥の一つです。日本での観察例は非常に少ないですが、今後の調査や研究によって、その生態や分布がさらに明らかになることが期待されます。

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