チャプター・ワン (アルバム)

『チャプター・ワン：ラテンアメリカ』は、アルゼンチン出身のジャズ・サックス奏者、ガトー・バルビエリが1973年に発表したアルバムです。副題の通り、ラテンアメリカの音楽的要素を色濃く反映した作品であり、ブエノスアイレスとリオデジャネイロという南米の二つの都市で録音されました。

このアルバムは、バルビエリの音楽的探求の深さを示すものであり、Impulse!レコードからリリースされました。彼の前作『ボリビア』と同様に、商業的な迎合を避けつつも、アバンギャルドな要素を一般の聴衆にも理解しやすい形で提示しています。

収録曲は、バルビエリ自身の作曲によるものに加え、パラグアイの作曲家J. Asunción Floresの作品「India」も含まれています。特に、「La China Leoncia Arreo La Correntinada Trajo Entre La Muchachada La Flor De La Juventud」は、4つのパートに分かれた大作であり、バルビエリの音楽的な才能を余すところなく発揮しています。

アルバムには、ラウル・メルカド（ケナ）、アメデオ・モンヘス（インディアンハープ）、リカルド・リュー（エレクトリックギター）、ケロ・パラシオス（ギター）、イソカ・フメロ（チャランゴ）、アントニオ・パントーハ（アンアパ、エルケ、シーク、ケナ、エルケンチョ）、アダルベルト・セヴァスコ（エレクトリックベース）、ディノ・サルーシ（バンドネオン）、ドミンゴ・クーラ（ボンボ）、ポチョ・ラプーブル（ドラムス）、ホルヘ・パディン（パーカッション）、エル・スルド・ロイズニー（パーカッション）、オズバルド・ベリンギエリ（ピアノ）など、南米の様々な楽器の名手が参加しています。

音楽評論家のロバート・クリストガウは、Creem誌において、このアルバムをマイルス・デイビスのような先駆者たちの作品と並べて推奨しています。また、オールミュージックのレビューでは、本作は1970年代ジャズの偉大な、しかし忘れられた傑作の一つとして、4つ星半の評価を得ています。

1997年には、本作と次作『チャプター・トゥー』の全収録曲に未発表音源を加えた2枚組のコンピレーション盤『Latino America』がリリースされ、改めてその魅力が再認識されました。

収録曲
1. Encuentros
2. India
3. La China Leoncia Arreo La Correntinada Trajo Entre La Muchachada La Flor De La Juventud
Part 1
Part 2
Part 3
Part 4
4. Nunca Mas
5. To Be Continued

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