チャンドラヤーン1号

チャンドラヤーン1号

チャンドラヤーン1号は、インドの宇宙研究機関(ISRO)が2008年10[[月22日]]に打ち上げた月探査機です。この探査機の名前は、サンスクリット語の「チャンドラ」（月）と「ヤーナ」（乗り物）から来ており、「月の乗り物」という意味を持っています。チャンドラヤーン1号は、月面の水の存在を確定させるなど、重要な成果をあげました。

プロジェクトの発端

このプロジェクトは1999年にスタートし、インド政府に提案されました。2003年、当時の首相バジパイは、独立記念日の演説の中で、2008年までに探査機を月に送るという計画を発表しました。このため、インド初の月探査機の打ち上げが決定しました。

ミッションの目的と機器

チャンドラヤーン1号の主な目標は、可視光、近赤外線、低エネルギーX線、高エネルギーX線の各分野で月面を詳細に観測することでした。探査機には、11の異なる観測機器が搭載されており、その中にはアメリカ航空宇宙局（NASA）や欧州宇宙機関（ESA）、ブルガリア科学アカデミーによって提供された機器が含まれていました。

インド国産のロケット、PSLV-XLを使用して打ち上げられ、アーンドラ・プラデーシュ州のシュリーハリコータのサティシュ・ダワン宇宙センターから、2008年10[[月22日]]午前6時22分（IST）に成功裏に打ち上げられました。打ち上げ後、地球を周回した後、11[[月8日]]に月周回軌道に投入され、その後、高度100キロメートルの極軌道に入ることに成功しました。

ミッションの進展と成果

元々2年間を予定していたミッションは、2009年7[[月]]に姿勢制御用センサーが故障したため、短縮を余儀なくされました。最終的に2009年8[[月29日]]に通信が途絶え、1年足らずでミッションが終了しましたが、観測チームは95%の目標を達成したと報告しています。

主要な成果

この探査機の大きな成果の一つは、インパクター「Moon Impact Probe」の投下です。これは2008年11月14日に探査機から切り離され、月の南極近くに位置するシャクルトン・クレーターに衝突しました。これによってインドは、アメリカ、旧ソ連、日本、欧州宇宙機関に続き、月面に人工物を到達させた5番目の国となりました。

さらに、月面鉱物マッピング装置「Moon Mineralogy Mapper（M3）」による観測は、月面での水分の存在を初めて確認する結果を導きました。また、NASAはチャンドラヤーンの観測結果を元に、月北極付近のクレーターに計6億トンの水が存在する可能性も発表しました。

今後の計画

チャンドラヤーン1号の成功を受け、インドは次なる月探査計画を進めています。当初はロシアの協力を得て探査機を開発する予定でしたが、ロシアの離脱に伴い、インド独自の月面着陸機や探査車の開発が進められています。チャンドラヤーン3号では、月面からのサンプルリターンを目指す構想もあり、今後の展開が期待されています。

今後もチャンドラヤーンシリーズの動向が注目され、月探索の新たな発見が求められています。

もう一度検索