チャンピオンシップロードランナー

『チャンピオンシップロードランナー』は、1983年に発売されたアクションパズルゲーム『ロードランナー』の続編です。オリジナルはアメリカのブローダーバンド社からApple II対応ソフトとして発売されました。

日本では1985年以降、ファミリーコンピュータ（ハドソン）、SG-1000（セガ）、MSX（ソニー）、そして様々な国産パソコン機種（システムソフト、ソフトプロ）に移植され、幅広いプラットフォームで楽しまれました。近年では、WiiとWii Uのバーチャルコンソールでもファミリーコンピュータ版が配信されています。

ゲーム概要

本作は、穴を掘って敵ロボットを落とし、画面内の全ての金塊を回収するアクションパズルゲームです。プレイヤーは、アクション性だけでなく、ブロックの復活タイミングやロボットの動きを緻密に計算し、複雑なパズルを解いていく必要があります。各ステージは1画面で完結せず、マップ全体を探索して金塊を見つけ、さらにゴール地点へ移動しなければクリアとなりません。

『チャンピオンシップロードランナー』は、前作『ロードランナー』の上級者向けとして位置づけられており、システムやルール、パッケージイラストは前作と共通しています。BGMはありませんが、効果音を駆使してBGMに近い雰囲気を作り出しています。

特に、ステージ31はノーヒントでのクリアが非常に困難であり、攻略本には「こんなものはパズルなんかじゃない」と評されるほどです。これらの難関ステージは、『ロードランナー』の作者であるダグ・スミス氏に世界中から寄せられた高難易度のステージが採用されています。ダグ・スミス氏によれば、全50ステージのうち、日本人からの投稿は25ステージ、さらにそのうち10ステージは当時アスキー編集部のスタッフによるものだったそうです。

ファミリーコンピュータ版の発売当時、早解きコンテストが開催され、ステージ11から50までのパスワードを全て送ると、HUDSONチャンピオンシップロードランナー審査委員会からゴールドの認定証「チャンピオンカード」が発行されました。この認定番号はクリアが早かった人ほど若い番号が与えられ、当時ハドソンの社員であった高橋名人の番号は39050番でした。ゲームは全50ステージで構成され、最初の10ステージは好きな順番でプレイできます。それ以降は、1ステージクリアするごとに次のステージのパスワードが表示され、順番にクリアしていく必要があります。パスワードはブロックなどで描かれており、全てのパスワードを繋げると、最終ステージ50のマップが完成するという仕掛けが施されていました（ファミコン版のみ）。

なお、チャンピオンカードは50ステージを全てクリアした証とされていましたが、ステージ50をクリアしてもパスワードが表示されなかったため、実際にはステージ49までクリアすればカードを入手できました。

各種PC版でも、各発売元が同様の認定証キャンペーンを実施していました。

Apple版のデモ画面には、作者ダグ・スミス氏のプレイが収録されています。

移植版ごとの違い

ファミリーコンピュータ版

マップサイズが拡大し、画面が上下左右にスクロールするようになりました。
ポーズ中に画面をスクロールすることが可能です。
敵の最大出現数が3体から5体に増加しました。ただし、敵が全く出現しないステージも存在します（ステージ23など）。
レンガを掘ってから埋まるまでの時間が、前作よりも少し長くなっています（約2秒）。
タイトルBGMはステージクリアBGMと同じ曲が使用されています。前作にあったステージクリア時にランナーが汗を拭う演出は削除されました。
特定の条件で出現するボーナスアイテムも登場しません。
ニンテンドーDS版では、ステージクリア時にランナーが汗を拭う演出やボーナスアイテムが復活しています。
ニンテンドーDS版では、一度クリアしたステージは自由に選択できますが、未クリアのステージはそのステージまでしか選択できません。
パッケージには「警告! ロードランナー未経験者お断り!」という注意書きが記載されています。
ステージ1は、オリジナルApple II版のデモステージに差し替えられており、オリジナル版のステージ1（金塊でHELLOと書かれている面）は収録されていません。

PC-8801版/PC-9801版

Apple版と比較して、画面の横キャラクタ数が少なくなっています（横26×縦16サイズ）。
金塊を全て回収し、脱出用ハシゴが出現すると、画面下部にステージごとのメッセージが表示されます。例えば、デモステージは「GOOD LUCK」、ステージ1は「HELLO AND WELCOME」など。

FM-7版/X1版

Apple版と比較して、画面の縦横キャラクタ数が少なくなっています（横26×縦15サイズ）。
敵ロボットのアルゴリズムが若干変更されています。
X1版では、キャラクターグラフィックにカラー3色が使用され、他機種版よりもカラフルです。

SG-1000版

画面の縦横キャラクター数はApple版と同じです（横28×縦16サイズ）。
ステージ1から50のうち、いくつかのステージがセガオリジナルのステージに差し替えられています。
説明書には、主人公は銀河パトロール隊員のキーンであるというキャラクター紹介が掲載されています。
ステージをクリアするとパスワードが表示され、ステージ50をクリアするとデモ用のステージ51のパスワードが表示されます。
ゲームスピードの調整が可能です。

MSX版

開発担当はコンパイル。
Apple版と同様の画面構成です（横28×縦16サイズ）。
タイトル画面の造りやキャラクター、文字と数字と記号のフォントはセガ版と同じです。
全60ステージ（Apple版50ステージからの抜粋40ステージ、オリジナルステージ20）。
カラーチェンジ機能が搭載され、ブロックの色を変更できます。
BGMはありません。
セガ版と同じく、5段階にスピード調節が可能です。
ESCキーを押すとポーズ画面になります。

もう一度検索