エディ・ブリケル

エディ・ブリケル：音楽と人生の軌跡

エディ・ブリケル（Edie Brickell）は、1966年3月10日生まれのアメリカを代表するシンガーソングライターです。彼女は、1988年にリリースされ、Billboard 200チャートで4位を獲得したアルバム『星に輪ゴムを』で一躍脚光を浴びました。また、シンガーソングライターのポール・サイモンとの結婚でも知られています。

生い立ちと音楽への目覚め

テキサス州ダラスのオーククリフで生まれたブリケルは、幼少期を姉と共に過ごしました。舞台芸術とビジュアルアートに特化したブッカーT.ワシントン高校を経て、南メソジスト大学に進学。しかし、音楽への情熱を抑えきれず、大学を中退し、バンド活動に専念することを決意します。

エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズ

1985年、ブリケルは地元のフォークロック・グループ、ニュー・ボヘミアンズに誘われ、一夜限りの参加のつもりが、そのままリード・シンガーとして加入。バンドはその後、レコード会社との契約を結び、エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズとして活動を開始します。

デビュー・アルバム『星に輪ゴムを』は、シングル「ホワット・アイ・アム」を含む、批評的にも商業的にも大きな成功を収めました。しかし、1990年のセカンド・アルバム『ゴースト・オブ・ア・ドッグ』では、バンドはより実験的なサウンドを追求し、デビュー作のポップな路線からの脱却を図りました。

ニュー・ボヘミアンズはその後も散発的に活動を続け、2006年にはアルバム『Stranger Things』を、2018年には『Rocket』、2021年には『Hunter and the Dog Star』をリリースしています。

ソロ・キャリアの展開

ブリケルは、ソロ・アーティストとしても精力的に活動しています。1989年の映画『7月4日に生まれて』ではフォーク・シンガー役を演じ、ボブ・ディランの「はげしい雨が降る」を歌い、サウンドトラックに収録されました。また、1990年の映画『フラッシュバック』では、ルー・リードの「ワイルド・サイドを歩け」をカバーしています。

ソロ・アルバムとしては、『ピクチャー・パーフェクト・モーニング』（1994年）、『Volcano』（2003年）、『Edie Brickell』（2011年）などをリリース。1992年には、ボブ・ワイズマンとの共同制作でアルバムを制作しましたが、レコード会社に拒否され、未発表となっています。

2008年には、ポール・サイモンの息子であるハーパー・サイモンと、The Heavy Circlesというユニットを結成し、アルバムをリリースしました。

The Gaddaboutsでの活動

2010年、ブリケルは、スティーヴ・ガッド、アンディ・フェアウェザー・ロウ、ピノ・パラディーノらとThe Gaddaboutsを結成。2011年にアルバム『The Gaddabouts』、2012年には『Look Out Now!』をリリースしました。

スティーヴ・マーティンとのコラボレーション

2013年、ブリケルは、俳優でありバンジョー奏者でもあるスティーヴ・マーティンとのコラボレーション・アルバム『Love Has Come for You』をリリース。アルバムのプロモーションのため、共にテレビ出演なども行いました。

2016年には、ブリケルとマーティンが音楽、歌詞、物語を手がけたミュージカル『ブライト・スター』がブロードウェイで上演され、高い評価を得ました。

2017年には、ドキュメンタリー映画『The American Epic Sessions』に出演し、1920年代の初期の電気録音システムを使用して、「The Coo Coo Bird」という伝統的なイギリスのフォーク・ソングを録音しました。

私生活

ブリケルは、1992年5月30日にポール・サイモンと結婚。彼女は1988年に『サタデー・ナイト・ライブ』に出演した際、カメラの前に立っていたサイモンに一目惚れしたと語っています。二人の間には、エイドリアン、ルル、ガブリエルという3人の子供がいます。

ディスコグラフィ

ソロ・アルバム

『ピクチャー・パーフェクト・モーニング』 (1994年)
『Volcano』 (2003年)
『Edie Brickell』 (2011年)

エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズ

『星に輪ゴムを』 (1988年)
『ゴースト・オブ・ア・ドッグ』 (1990年)
『Stranger Things』 (2006年)
『Rocket』 (2018年)
『Hunter and the Dog Star』 (2021年)

スティーヴ・マーティン・アンド・エディ・ブリケル

『Love Has Come for You』 (2013年)
『Bright Star』 (2016年) ※ミュージカルのサウンドトラック

エディ・ブリケルは、常に新しい音楽の可能性を追求し、ジャンルを超えた活動を展開することで、多くのファンを魅了し続けています。

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