チャールズ・スペンサー (第6代スペンサー伯爵)

スペンサー伯爵チャールズ・ロバート

チャールズ・ロバート・スペンサー（Charles Robert Spencer, 6th Earl Spencer）は、1857年10月30日に生まれ、1922年9月26日にこの世を去ったイギリスの政治家であり貴族です。第6代スペンサー伯爵の地位にあり、後には初代オールトラップ子爵としても知られることになります。彼は、後のダイアナ元皇太子妃の曾祖父にあたり、ウィリアム王子やヘンリー王子にとっては高祖父という、現代王室にもつながる重要な人物です。

生涯と経歴

スペンサー伯爵チャールズ・ロバートは、1857年にロンドンで、第4代スペンサー伯爵フレデリック・スペンサーの次男として生を受けました。母親は、フレデリック伯爵の後妻であるアデレイドです。異母兄には、後に第5代スペンサー伯爵となるジョンがいます。

教育は名門ハーロー校で積んだ後、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジへと進みました。学業を終えた後、彼は政界へと進出します。

1880年から1885年にかけて、北ノーザンプトンシャー選挙区から自由党の候補者として立ち、庶民院議員に初当選を果たしました。続いて、1885年から1895年までと、1900年から1905年までの期間、中央ノーザンプトンシャー選挙区選出の庶民院議員として議会に席を置きました。

政治家としての活動と並行して、1892年には志願予備軍勲章を受章し、また枢密顧問官（Privy Counsellor, PC）にも任命されました。これは彼が政府において重要な役割を担う資格を得たことを示します。

1892年から1895年にかけて自由党が政権を握っていた時期には、副宮内長官（Vice-Chamberlain of the Household）を務めました。そして、自由党が再び政権を奪還した1905年には、より重要なポストである宮内長官（Lord Chamberlain of the Household）に就任します。この高官職に就くためには、当時の慣例として貴族院議員であることが求められたため、同年には連合王国貴族の爵位である初代オールトラップ子爵（Viscount Althorp）に叙せられ、貴族院へとその活動の場を移しました。宮内長官の職は1912年まで務めています。また、1908年にはノーザンプトンシャー州の総督（Lord Lieutenant）に任命され、地域の要職も兼任しました。

1910年8月13日、異母兄である第5代スペンサー伯爵ジョンが死去したことに伴い、代々受け継がれてきたスペンサー伯爵位（グレートブリテン貴族）を継承しました。これには、関連するスペンサー子爵位、オールトラップ子爵位（グレートブリテン貴族）、スペンサー男爵位（グレートブリテン貴族）も含まれます。

政治家、貴族としての功績に対し、国内外から多くの栄典が授与されました。1911年にはロイヤル・ヴィクトリア勲章のナイト・グランド・クロス（GCVO）を、1913年にはイギリス最高位の勲章とされるガーター勲章（KG）を受章しています。さらに、デンマーク王国のダンネブロ勲章、プロイセン王国の赤鷲勲章、ロシア帝国の白鷲勲章、ポルトガル王国のキリスト勲章など、海外の勲章も多数受章しています。

家族

チャールズ・ロバート・スペンサーは、1887年7月23日に、銀行家として知られる初代レヴェルストーク男爵エドワード・ベアリングの娘、マーガレットと結婚しました。二人の間には、以下の6人の子供が生まれました。

長女：アデレイド・マーガレット・デリア嬢（Lady Adelaide Margaret Delia, 1889年-1981年）
長男：アルバート・エドワード・ジョン（Albert Edward John, 1892年-1975年） - 後に第7代スペンサー伯爵を継承。
次男：セシル・エドワード・ロバート閣下（Lt.-Cdr. Hon. Cecil Edward Robert, 1894年-1928年）
次女：ラヴィニア・エミリー嬢（Lady Lavinia Emily, 1899年-1955年）
三男：ジョージ・チャールズ閣下（Captain Hon. George Charles, 1903年-1982年）
三女：アレクサンドラ・マーガレット・エリザベス嬢（Lady Alexandra Margaret Elizabeth, 1906年-1996年）

長男のアルバートが後にスペンサー家の家督と爵位を継承し、その孫がダイアナ元皇太子妃となります。

チャールズ・ロバート・スペンサーは、1922年9月26日にその生涯を終えました。彼の爵位と家督は、長男であるアルバートが引き継ぎました。

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