チャールズ・ダグラス (第3代クイーンズベリー公爵)

第3代クイーンズベリー公爵兼第2代ドーヴァー公爵、チャールズ・ダグラス（1698年 - 1778年）は、スコットランドの貴族、地主であり、政治家としても重要な役割を果たしました。彼はスコットランド王璽尚書やスコットランド民事控訴院首席判事といった要職を歴任し、その生涯は政治と社交に彩られました。

生い立ちと爵位継承

1698年、第2代クイーンズベリー公爵ジェームズ・ダグラスの三男としてエディンバラで生まれたチャールズ。1706年にはソルウェイ伯爵に叙爵されます。1711年、兄ジェームズが精神疾患により公爵位を継承できなくなったため、チャールズがクイーンズベリー公爵位を継承しました。しかし、貴族院への参加を試みるも、議会招集令状を受ける権利がないとされ、1711年から1718年までヨーロッパを遊学しました。1715年には兄の死によりクイーンズベリー侯爵も継承しています。

公職と政治的立場

1721年にダンフリーズシャーとカークーブリーシャーの知事に任命され、1720年から1727年までジョージ1世の寝室侍従を務めました。1722年から1729年まではスコットランドのヴァイス・アドミラルを務め、1726年には枢密顧問官に任命されるなど、政府内で重要な地位を占めました。しかし、1728年、ジョン・ゲイの戯曲『ポリー』の上演拒否事件を巡り、公爵夫人の友人であったゲイを支持したため、全ての役職を解任されました。その後、王太子フレデリック・ルイスを支持するようになり、1733年から1751年までフレデリック・ルイスの寝室侍従を務めました。1760年にジョージ3世が即位すると、枢密顧問官に復帰し、スコットランド王璽尚書（1761年 - 1763年）、スコットランド民事控訴院首席判事（1763年 - 1778年）を歴任しました。

晩年と死

1778年、ロンドンへ向かう途中に事故に遭い、その怪我が原因で死去しました。後継者となる子供がいなかったため、ドーヴァー公爵とソルウェイ伯爵の爵位は断絶。クイーンズベリー公爵位は、第3代マーチ伯爵ウィリアム・ダグラス（第2代クイーンズベリー公爵の弟の孫）が継承しました。遺体はダリスディアに埋葬されました。

家族

1720年、第4代クラレンドン伯爵ヘンリー・ハイドの娘キャサリンと結婚し、二人の息子をもうけました。

ヘンリー（1722年 - 1754年） - 軍人、事故死
チャールズ（1726年 - 1756年） - 庶民院議員、生涯未婚

チャールズ・ダグラスの生涯は、貴族としての地位、政治的な駆け引き、そして家族との絆が織りなす複雑なものでした。彼の足跡は、18世紀のスコットランド社会における貴族の役割を理解する上で貴重な手がかりとなります。

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