チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦

チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦

チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦は、アメリカ海軍が初めて建造したミサイル駆逐艦の艦級であり、1957年から1961年にかけて23隻が建造されました。この級は、フォレスト・シャーマン級を基に、新開発のターター技術を装備することで大幅に性能向上が図られました。また、オーストラリア海軍やドイツ連邦海軍向けにもそれぞれ3隻ずつ建造され、合計29隻の艦がこの級に属します。

背景

アメリカ海軍は第二次世界大戦の終焉を受け、新たな艦隊防空システムが必要であると感じ、艦対空ミサイルの開発に着手しました。テリア及びタロスといったミサイルシステムが開発されたものの、艦隊での広範な運用が検討されるようになりました。特に、航空機の技術が向上し、冷戦による脅威が増したため、小型艦艇へのミサイル搭載が必要とされました。その結果、1951年に発表された開発要求に基づき、ターターシステムの開発が進められ、やがてチャールズ・F・アダムズ級が誕生しました。

設計概要

艦の設計はフォレスト・シャーマン級と類似しているものの、些細な改良点が設けられました。例えば、船体は満載排水量が600トンの増加が見られ、艦内の配置にもいくつかの変更が加えられています。新型艦では空調設備の導入がなされ、艦内環境が向上しました。主機関もほぼ同一とされ、海軍が持つ先進的な高圧ボイラー技術が採用されました。

装備

チャールズ・F・アダムズ級の主な武装システムとしては、ターターシステムとアスロック対潜ミサイルシステムがあり、これらが艦の防空能力を大きく向上させています。基礎となるフォレスト・シャーマン級から受け継がれた53番砲や魚雷発射管とともに、ターターミサイルの発射機も装備されています。

C4ISR能力

艦にはAN/SPS-39|AN_SPS-39レーダーが搭載され、これは当時最新の3次元レーダーであり、対空捜索能力を強化しました。また、艦隊情報システム（NTDS）への対応も行われ、ミサイル射撃指揮装置としてMk.74 GMFCSが用いられています。これにより、複数の目標を同時に追尾・交戦する能力が向上しました。

運用歴

アメリカ海軍は1993年までにこの艦級を運用し、さらにその後の艦は中古でギリシャ海軍に譲渡されるなど、国際的に利用されることがありました。

オーストラリア海軍とドイツ海軍でも若干の改修を受けつつ運用され、特にオーストラリアではミサイル装備が変更されるなどして環境に適応しました。

結論

チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦は、冷戦の時代におけるアメリカ海軍の防空戦力の一翼を担った重要な艦級であり、最新技術の集大成でもありました。これにより、艦隊全体の生存能力が大きく向上し、さらなる艦艇設計への礎を築いた艦級といえるでしょう。

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