チャールズ3世とカミラの戴冠式

チャールズ3世とカミラの戴冠式

2023年5月6日、イギリスのウェストミンスター寺院において、チャールズ3世と彼の妻カミラの戴冠式が行われました。この儀式は、チャールズ3世が前年9月に母親であるエリザベス2世の死去を受けて即位した後の初めての戴冠式であり、21世紀における初のイギリス君主の戴冠でもあります。彼の戴冠は、1066年のウィリアム1世以来、40回目の戴冠式としての歴史的意義も持っています。

儀式の概要

戴冠式の中心には聖公会の聖餐があり、チャールズ3世は自身の宣誓を行い、聖油の塗油を受け、連合王国の戴冠宝器が受領されました。この一連の儀式を通して、彼の精神的な役割と世俗的な責任が強調されました。また、イングランド国教会及び英連邦王国の人々も、チャールズ3世に対する忠誠を宣誓しました。

カミラ王妃については、短縮された形で冠をかぶせられ、簡素な儀式が執り行われました。戴冠式の後、イギリス王室のメンバーたちはバッキンガム宮殿へ行列し、宮殿のバルコニーに姿を現しました。この儀式は、過去の戴冠式の伝統から大きな変更が加えられ、より現代的にアレンジされています。

祝賀と抗議

チャールズ3世とカミラの戴冠式は、イギリス国内外でさまざまな反応を引き起こしました。特に、イギリスではブロックパーティや特別な教会の礼拝が行われ、祝賀の雰囲気に包まれました。また、ウィンザー城で行われた戴冠式コンサートも大いに盛り上がりました。テレビでは最大で2040万人が儀式を観覧し、広範囲にわたる関心を集めました。

一方で、複数の場所で共和主義者たちによる抗議活動が行われ、52人が逮捕された事例もありました。このことに関して、人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチが非難声明を発表するなど、論争も巻き起こりました。特に、いくつかの英連邦王国では、植民地支配の影響を強調し、式典自体への反発や疑念が示されました。

参加者と儀式の計画

戴冠式には、約2000人以上の王族や各国の首脳が参加しました。儀式の準備においては、軍務伯であるノーフォーク公が責任を担い、エリザベス女王の死去から充分な哀悼の時期を考慮した上で、式の日程が設定されました。また、式の進行にあたっては、初めてキリスト教以外の宗教関係者が参加し、ヒンドゥー教徒のリシ・スナク首相が聖書の朗読を行うなど、多様性が意識された儀式となりました。

経済的側面

儀式にかかる費用は、非公式な推計では5000万から2億5000万ポンドとされています。これに関しても、イギリス国民の間での認識は分かれており、祝賀行事の意義について様々な意見が寄せられました。

日本の賛辞

日本からは、天皇徳仁の代理として皇嗣秋篠宮文仁親王と妃紀子が出席しました。彼らは戴冠式後、英国訪問の感想を公表。この式典は、イギリス文化と歴史の重要な一幕を象徴する出来事として、国内外に深い印象を与えました。

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