チャールズ3世 (イギリス王)

チャールズ3世：英国王室の歴史と未来を担う君主

チャールズ3世（Charles III, 1948年11月14日 - ）は、イギリスのウィンザー朝第5代国王であり、14の英連邦王国の君主です。また、イングランド国教会の首長も務めています。70年以上の皇太子期間を経て即位した、その波乱万丈な生涯と、国王としての取り組みを詳しく見ていきましょう。

生い立ちと教育

1948年、エリザベス王女（後のエリザベス2世）とエディンバラ公フィリップの長男としてバッキンガム宮殿で生まれました。誕生時から将来の国王となることが定められていたため、特別な教育を受けました。父フィリップの意向で、一般の学校に通う経験もしましたが、周囲との階級の違いからいじめに遭うこともありました。この経験から、自身の息子たちには上流階級の子息が多く通うイートン・カレッジを選んだと言われています。ケンブリッジ大学では人類学と考古学を学び、ウェールズ大学ではウェールズ語と歴史を学びました。

王位継承者として

1952年、祖父ジョージ6世の崩御により母エリザベス2世が即位すると、チャールズは王位継承順位第1位の法定推定相続人となりました。1958年にはプリンス・オブ・ウェールズの称号を授与され、正式に皇太子となりました。皇太子時代は、数多くの公務をこなし、慈善活動や環境問題への取り組みに力を入れました。

軍歴

ケンブリッジ大学入学後、イギリス王室の伝統に従い、海軍と空軍に入隊。1971年からは空軍で飛行訓練を受け、様々な航空機の操縦を経験しました。海軍では駆逐艦に乗り組み、1976年には掃海艇の艇長を務めました。

慈善活動と環境問題への取り組み

1976年には、貧困層の若者への支援を目的とした「ザ・プリンス・トラスト」を設立。イギリス連邦諸国からの移民問題にも積極的に取り組みました。また、環境問題にも強い関心を抱き、自身の領地であるコーンウォール公領で有機農業を実践するなど、環境保護活動を推進しました。

ダイアナ妃との結婚と離婚

1981年、ダイアナ・スペンサーと結婚。世界中が祝福するロイヤルウェディングとなりましたが、1996年に離婚。この結婚と離婚は、イギリス王室に大きな影響を与えました。ダイアナ妃の死後も、チャールズは公務を続け、国民からの信頼回復に努めました。

カミラ夫人との再婚

2005年、長年の恋人であったカミラ・パーカー・ボウルズと再婚。カミラ夫人は、皇太子妃の称号を辞退し、「コーンウォール公爵夫人」としてチャールズを支えました。

国王即位

2022年9月8日、母エリザベス2世の崩御により、チャールズ3世として即位。73歳での即位は、イギリス史上最高齢の国王即位となりました。即位後、最初の国民に向けた演説で、母への追悼の意を表するとともに、長男ウィリアムをプリンス・オブ・ウェールズに叙することを発表しました。2023年5月6日には、ウェストミンスター寺院で戴冠式が執り行われました。

近年の動向

2024年1月には、前立腺肥大症の治療を受け、2月には癌の診断が公表されました。公務を一時休止し治療に専念していましたが、4月には公務への復帰を発表しました。

人物像

歴史的建造物の保存や都市景観に関心が深く、建築に関する著書も出版しています。また、有機食品ブランド「ダッチー・オリジナルズ」を創設するなど、食へのこだわりも強く持っています。一方で、代替医療への支持や、過去のスキャンダルなど、物議を醸すこともありました。

称号と呼称

即位に伴い、称号は「国王陛下（His Majesty The King）」となりました。皇太子時代には、「プリンス・オブ・ウェールズ」や「コーンウォール公爵」などの称号を持っていました。

チャールズ3世は、激動の時代に即位したイギリス国王として、伝統を守りながらも新しい時代に対応していくことが求められています。彼の今後の活躍に注目が集まっています。

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