チュウゴクイモリ

チュウゴクイモリ（Cynops orientalis）

分類

チュウゴクイモリは、両生綱有尾目イモリ科イモリ属に分類される有尾類です。別名としてシナイモリとも呼ばれています。

分布

中国の固有種であり、安徽省南部、河南省南部、湖北省東部、江西省、江蘇省南部、浙江省、福建省西部に分布しています。模式標本の産地は浙江省です。

形態

全長は6.1～9.8cmで、オスは頭胴長3.7～4.6cm、メスは4.1～5.4cmです。皮膚は平滑で小さな顆粒状の突起がありますが、背面の正中線上に稜はありません。尾は頭胴長よりも短いです。背面の体色は暗褐色や黒色で、腹面は喉から胴体、尾の前半部にかけて赤や橙色をしています。耳腺が発達しており、喉には明瞭な横皺があります。四肢は短く、胴体に沿って前肢を後方、後肢を前方に伸ばすと指と趾が重複して接します。後肢の趾は5本です。オスの総排泄口の後端にある肉壁には突起が発達し糸状になります。

分類に関する情報

福建省北部の個体群はフーディンイモリとして独立種に分類されました。また、安徽省の個体群を亜種に分ける説もありますが、根拠は乏しいとされています。

生態

標高30～1,000m付近の湿原、池、水田などに生息しています。食性は動物食で、昆虫、魚類、両生類の幼生などを食べます。繁殖形態は卵生で、3～7月（主に4～5月）に年に100個（最大238個）の卵を産みます。水草などを折り返してその中に卵を1個ずつ産み、5個ほど産むと休憩を挟みます。卵は15～25日で孵化します。

人間との関係

薬用として利用されることもあり、鎮痛作用があると信じられています。また、ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されています。飼育にはアクアリウムかアクアテラリウムが用いられますが、高温に弱いため、飼育は難しいとされています。

関連項目

イモリ科
イモリ属

もう一度検索