チュニジア・ディナール

チュニジア・ディナール（TND）について

チュニジア・ディナール（アラビア語: دينار تونسي、英語: Tunisian dinar）は、チュニジアの公式通貨です。ISO 4217コードはTNDで表され、補助通貨としてミリーム（مليم）が用いられています。1ディナールは1000ミリームに相当します。

歴史

チュニジア・ディナールは、1958年にその導入が決定され、1960年に実際に導入されました。それまで使用されていたフランス・フランとの交換レートは、1000フラン＝1ディナールでした。フランス・フランが切り下げられた際、ディナールはそれに追随せず、この交換レートは変動しました。

当初、1アメリカ合衆国ドル＝0.42ディナールという固定レートが1964年まで続きましたが、その後、1ドル＝0.525ディナールに切り下げられ、このレートは1971年まで維持されました。

2019年11月7日には、デジタル通貨であるEディナールが初めて取引され、世界で初めて中央銀行が発行するデジタル通貨として注目されました。

硬貨

1960年には、アルミニウム製の1ミリーム、2ミリーム、5ミリーム硬貨と、真鍮製の10ミリーム、20ミリーム、50ミリーム、100ミリーム硬貨が発行されました。その後、1ミリーム硬貨は2000年、2ミリーム硬貨は1983年に発行が終了し、現在ではほとんど流通していません。

1968年にはニッケル製の0.5ディナール硬貨が発行され、1976年にはより小さな白銅貨に置き換えられるとともに、1ディナール硬貨も発行されました。2002年にはバイメタル構造の5ディナール硬貨が導入されています。

紙幣

チュニジア中央銀行は1960年に、1/2ディナール、1ディナール、5ディナール紙幣を発行しました。1969年には10ディナール紙幣が発行され、1973年には1/2ディナール紙幣、1980年には1ディナール紙幣の生産が終了しました。その後、20ディナール紙幣が1980年に、5ディナール紙幣が1993年に、そして30ディナール紙幣が1997年から流通を開始しました。

特徴的な価格の言い方

チュニジアでは、日常的に商品の値段を言う際に、ディナール単位ではなくミリーム単位で表現することが一般的です。たとえば、50ディナールの商品は「5万ミリーム」と言い、高額な商品でも同様に、7万ディナールのものは「7000万ミリーム」と表現します。

規制

チュニジア・ディナールの輸出入は法律で厳しく規制されています。北アフリカを出国する際には、1000ディナールを超える両替は禁止されており、また出国時には500ポンド相当を超える現金の持ち出しが制限されています。

関連項目

ディナール

外部リンク

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