チョイ・ボンゲ

チョイ・ボンゲ：電光石火の格闘家

チョイ・ボンゲは、SNKの対戦型格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(KOF)シリーズにおける人気キャラクターの一人です。韓国代表チームの一員として、キム・カッファンの指導の下、更生プログラムに参加する傍ら、その卓越した格闘能力で数々の戦いを繰り広げます。

複雑な過去と陽気な性格

かつては精肉店を営みながら、裏では通り魔として暗躍していたチョイ。映画『エルム街の悪夢』のフレディ・クルーガーを彷彿とさせる自作の鉄の爪を武器とし、凶悪な一面を見せていました。しかし、キム・カッファンとの出会いをきっかけに、チャン・コーハンと共に更生への道を歩み始めます。

一見すると冷酷な悪役のようですが、チョイは陽気でユーモラスな性格の持ち主でもあります。口癖は「…でヤンス」で、コミカルな雰囲気を醸し出しています。妻がいるという設定も存在しますが、ゲーム本編で詳細が語られることは少ないようです。

特徴的な山高帽とサングラスに隠されたスキンヘッド、そしてキム直伝の格闘技は、彼のアイコニックなスタイルを確立しています。

シリーズを通しての活躍

『KOF'94』で初登場以降、『KOF2002』までナンバリングタイトルにほぼ全て参戦。チャン・コーハンと共に、キムの指導の下、更生プログラムに参加しつつ、時に脱走を図ったり、葛藤を繰り返す姿が描かれています。初期は更生から逃れることを画策していましたが、『KOF'99』以降は、キムやジョン・フーンへの信頼を深め、仲間たちとの絆を育んでいきます。

『KOF2000』では、チャンと共にゼロ・キャノンを受け、人格が入れ替わるという異様な事態に巻き込まれますが、『KOF2001』では元に戻っています。

『KOF XIV』では、チャンと共に酒場で騒動を起こし投獄。そこで出会った凶悪犯ザナドゥに感化され、「悪人チーム」の一員として参戦します。しかし、ザナドゥのやり方にはついていけず、最終的に決別。そして『KOF XV』では、チャンと共にキムの元に戻り、仲間たちと和やかな日々を送っている様子が描かれています。

多彩な客演

KOFシリーズ以外にも、カプコンとのクロスオーバー作品である『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』や『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』などにも登場。サポートキャラクターやプレイヤーキャラクターとして活躍しています。それぞれの作品で、チョイ独特の個性とコミカルな掛け合いが光ります。

また、『リアルバウト餓狼伝説』シリーズにも背景キャラクターとして登場するなど、SNK作品に広く貢献しています。『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のDLCステージ「KOFスタジアム」にも登場しており、その人気ぶりを伺い知ることができます。

高い機動性と多彩な技

チョイは、KOFシリーズのキャラクターの中でも特に小柄な体格が特徴です。リーチは短めですが、その分、高い機動性を誇ります。素早い移動速度、多彩な飛び道具、そして独特の必殺技を駆使し、相手を翻弄する戦法を得意としています。

代表的な技としては、「竜巻疾風斬」、「飛翔空裂斬」、「旋風飛猿刺突」などが挙げられます。さらに『KOF'97』からはキムの奥義「鳳凰脚」を習得し、戦闘スタイルの幅を広げました。

通常技も多彩で、相手を翻弄する独特の攻撃が特徴的です。『XIV』では新たな通常技や必殺技も追加され、進化を遂げています。

チョイというキャラクター

チョイという名前は、本来の朝鮮語の発音では「チェ」となります。これは、名字のローマ字表記をそのまま日本語読みにしたためです。また、彼の名前「ボンゲ」は朝鮮語で稲妻を意味し、その素早い動きを表現しています。

『KOF2000』では、マニアックストライカーとして「クールチョイ」が登場。元のチョイとは異なる容姿と、独特のストライカー動作で、プレイヤーを驚かせました。

チョイは、複雑な過去を持つ一方で、陽気な性格と高い戦闘能力、そして仲間たちとの絆で多くのファンを魅了する、KOFシリーズを代表するキャラクターの一人と言えるでしょう。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

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