チリ社会党

チリ社会党について

チリ社会党（Partido Socialista de Chile、略称PS）は、1933年に設立された中道左派政党で、チリ共和国において一定の存在意義を維持しています。この政党は、社会民主主義を掲げ、高い社会的公正を志向していることで知られています。現在、2021年に結成された中道左派の政党連合「民主社会主義」や、社会主義インターナショナル及び進歩同盟といった国際組織にも加盟しています。

設立の背景

チリ社会党の起源は、1932年にわずか12日間で崩壊した「チリ社会主義共和国」の経験に遡ります。この流れの中で、新共和運動や革命的社会主義行動、社会主義的な諸政党が結集し、1933年4月に創設されました。特に、後にチリの大統領となるサルバドール・アジェンデが設立メンバーとして関与しており、その思想は党の方針に大きな影響を与えました。

重要な歴史的変遷

1940年代には人民戦線が結成され、アジェンデが保健大臣として入閣しましたが、この連携は1940年代後半には分裂を迎えます。アジェンデはその後も様々な左翼諸党と手を組み、1958年及び1964年の大統領選挙に挑戦しましたが、キリスト教民主党の候補者に敗れました。

1970年の大統領選挙では、社会党と共産党を中心とした「人民連合」を結成し、ついに大統領職を手にしました。しかし、政権内部での意見の対立や保守派の抵抗により、政治情勢は不安定さを増していきます。特に1973年9月11日、アウグスト・ピノチェトによる軍事クーデターが発生し、人民連合政権は崩壊。直後に社会党は非合法化され、多くの党員が弾圧を受けることとなりました。

分裂と再編

その後、一時期軍政に対する闘争の方針を巡って分裂を経験しました。1978年、共産党との共闘を重視する左派と、中道勢力との連携を重視する右派に分かれました。両派はそれぞれ異なる方針で反軍政運動を推進し続けましたが、1980年代後半には穏健派が台頭し、1989年に再統一を果たしました。それ以降は、コンセルタシオンと呼ばれる中道左派の連合に参加し、政治活動を続けています。

現在の活動と展望

近年では、2009年の大統領選挙での敗北やその後のリーダーシップの変化を経て、2013年及び2021年の大統領選挙には新たな連合体と共に参画しています。特に2021年、チリ社会党は中道左派連合「新社会協定」に参加し、統一候補としてヤスナ・プロボステを支援しました。

このように、チリ社会党は歴史的背景から現在に至るまで、多くの政治的変遷を経ながらも、その存在を失わずにきました。今後も、社会的公正の実現を目指す活動を続けることでしょう。

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