チーム・アグリ

チーム・アグリについて

チーム・アグリ（Team Aguri）は、フォーミュラE選手権に参加していたレーシングチームである。元々、2006年から2008年の途中までF1に参戦していたスーパーアグリの主要メンバーである鈴木亜久里が、2013年にフォーミュラEに進出することを発表し、2014-15シーズンから2015-16シーズンまで活動を続けた。

概要

チームは2014-15シーズンからいきなりイギリスの保険会社アムリンをメインスポンサーとして迎え、『スーパーアグリ・フォーミュラEチーム』から『アムリン・アグリフォーミュラEチーム』へと名称を変更。ドライバーにはアントニオ・フェリックス・ダ・コスタとキャサリン・レッグが起用され、鈴木やその他元スーパーアグリの幹部たちが首脳陣として揃った。また、リザーブドライバーにはファビオ・ライマーが加入した。

特に注目すべきは、2014年9月13日に北京で行われた開幕戦で、ダ・コスタがDTMのスケジュールと重なったため、元F1ドライバーの佐藤琢磨が代役に立った。佐藤はレースでファステストラップを記録し、ポイントを獲得するなど、その活躍が印象に残った。彼はスケジュールの都合により開幕戦のみに参戦することになった。

その後、2015年のマレーシアePrixでは、ダ・コスタが最終ラップまで膨大なドラマが展開された末に8位入賞を果たした。特筆すべきは、2015年のアルゼンチンePrixでのダ・コスタによるチーム初優勝である。終盤の追い上げと他チームのアクシデントが重なり、優勝を手にした亜久里は、その瞬間を自らの眠りにより見逃してしまった。

2015-16シーズンの展開

2015-16シーズンに入ると、アムリンがアンドレッティ・オートスポーツに鞍替えしたため、チーム名は元の『チーム・アグリ』に戻される。このシーズンからはパワートレインの自社開発が認められたが、チームは前年型のスパーク・ルノー・SRT 01Eを継続して使用する様子だった。

ドライバー陣ではダ・コスタが残留し、新たにナタナエル・ベルトンが加入したが、彼は2016年1月にチームを去り、代わってデュランが加入した。しかし、デュランも短期間で離脱し、第7戦からはマ・キンファが起用されることとなった。

このシーズンの特徴的な出来事としては、2016年3月にガルフとのメインスポンサー契約が結ばれたことがある。しかし4月には鈴木亜久里が数ヶ月以内にチームを去ると発表し、これに伴いチームの国籍もイギリスに変更された。

そして2016年6月29日、チームはフォーミュラEの参戦ライセンスを投資家グループに売却し、2016年シーズンをもって撤退することが決まった。最終的に、チャイナ・メディア・キャピタル（CMC）が新オーナーとなり、チーム名が「Techeetah」に変更。多くの首脳陣が旧チーム・アグリの体制を引き継いだ。

成績

チーム・アグリはその短い期間ながらも、フォーミュラEにおいて印象的な瞬間を数多く生み出し、多くのファンの記憶に残るチームとなった。

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