ツァスタバ M70 (拳銃)

ツァスタバ M70は、旧ユーゴスラビア（現セルビア）のツァスタバ・アームズ社（旧ツァスタバ・ナメンスキー・プロイザボト）で開発された自動式拳銃で、軍や警察の将校向けに設計されました。

設計と特徴

ツァスタバ M70は、トカレフTT-33を小改良したツァスタバ M57を、さらに小口径化・小型化したモデルです。フレームとスライドはスチール合金製で、グリップパネルにはポリマーまたはウォールナットが使用されています。作動方式はシンプルブローバック、撃発機構はシングルアクションを採用しています。

安全機構として、フレーム左側面にマニュアルセフティが装備されています。これはツァスタバ M57にはなかったもので、安全状態では撃発機構とスライドを固定します。また、マガジンセフティも搭載されており、マガジンを外した状態では射撃できません。

基本モデルのフロントサイトとリアサイトは固定式ですが、派生型では調整可能な可動式サイトを備えたものも存在します。口径とサイズの割にやや重量がありますが、その分反動が少なく、耐久性も高いのが特徴です。分解も容易で、ハンマーユニットは一体で取り外すことができます。

運用

ツァスタバ M70は、旧ユーゴスラビアの軍や警察で使用されたほか、輸出も行われました。2024年現在でも、ツァスタバ・アームズ社の製品一覧に護身用拳銃として掲載されています。

派生型

M70(k)：.380ACP弾を使用するモデル。2024年時点では、ツァスタバ・アームズ社の製品一覧からは削除されています。
M70AN：マニュアルセフティをスライド側面に搭載し、サイトを調整可能な可動式に変更したモデル。

同名の銃について

ツァスタバ M57の使用弾薬を9x19mm弾に変更した、同名のツァスタバ M70という拳銃も存在します。こちらはフルサイズで、作動方式も原型と同じショートリコイル方式です。

運用国

モンテネグロ
セルビア

関連項目

拳銃
自動式拳銃
拳銃一覧
ツァスタバ M57

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