.380ACP弾

.380ACP弾の概要

.380ACP弾（口径0.380インチ・自動拳銃用）は、アメリカの銃器設計者ジョン・ブローニングによって設計された中型自動拳銃用の弾薬です。この弾薬は1908年にコルト社によって製造が始まり、主にコルトM1908で使用されたのが最初のケースです。また、.38ACP弾とは異なる弾薬であるため混同しないよう注意が必要です。

歴史的背景

.380ACP弾は、サイズ的には中型の弾薬に位置し、初めはコルト社とブローニングの設計した自動拳銃での使用が広まりました。当初はFN ブローニングM1910など、ブローニング設計の他の中型自動拳銃と共に人気となり、特にヨーロッパにおいては警察用の弾薬として重宝されていました。使用される拳銃も多様で、.32ACP弾もよく併用され、信頼性と操作の容易さから多くの支持を集めました。

その後、警察用の拳銃と弾丸は9x19mmパラベラム弾を使用する大型モデルに移行しましたが、.380ACP弾は今でも個人用の護身用として多くの人に利用されています。

.380ACP弾の特徴

一般的に、.380ACP弾は閉鎖機構としてショートリコイルを必要としない、ストレートブローバック機構での射撃が可能です。このため、射撃時の操作が容易であり、特に旧西側諸国の自動拳銃用としては最も効果的な弾薬の一つとされています。

他のストレートブローバック機構を採用した拳銃としては、H&K VP70やアストラ600、S&W シグマなどがあります。これらのモデルは9mmパラベラム弾を発射できるものも存在しますが、VP70に関しては、発射ガスを逃がすことで反動を軽減しているため、発射エネルギーは.380ACP弾と同程度に抑えられています。

一方で、.380ACP弾を使用する拳銃の多くは.32ACP弾のバリエーションも持っており、基本的に同じ部品が使われます。特に多発の機構の影響で、.32ACP弾仕様は装弾数が.380ACP弾仕様よりも1発多い場合がほとんどで、使用者は威力と装弾数を天秤にかけて選定する必要があります。

他の表記法

この弾薬はしばしば他の名称でも知られています。9mmブローニング、9mmオート、9mmショート（英語）、9mmクルツ（ドイツ語）、9×17mmなど、様々な呼び名があります。特に日本では「九粍短弾ブローニング拳銃実包」としても知られています。

主な使用拳銃

以下に代表的な.380ACP弾を使用する拳銃を挙げます:

• - コルトM1908
• - コルト ガバメント.380オート
• - FN ブローニングM1910
• - ワルサーPPおよびPPK
• - モーゼルHSc
• - グロック25/28
• - SIG SAUER P230
• - ベレッタM1934およびM84

また、.380ACPと同じく使用される小火器にはサブマシンガンもあり、Vz.64およびVz.83などが存在します。これらの拳銃は特に護身や警備などの用途で利用されることが多く、信頼性と利便性で高い評価を得ています。

以上のように、.380ACP弾はその設計と使用の歴史において重要な位置を占めている弾薬であり、戦後から現在に至るまで多くの支持を受け続けていることは否定できません。

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