ツァスタバ M72

ツァスタバ M72は、ユーゴスラビアのツァスタバ・アームズがツァスタバ M70を基に開発した軽機関銃・分隊支援火器です。RPK軽機関銃と類似した構造を持ちますが、いくつかの独自の特徴があります。

概要

M72の基本構造はRPK軽機関銃とほぼ同じであり、ハンドガードもRPKと同一の形状で冷却孔が2個設けられています。これは、側面に3つの冷却孔があるユーゴスラビア製AKとは異なる点です。

RPKとの相違点

M72とRPKの主な違いは、M72にはハンドガード前面からガスブロックまでの銃身に冷却用リブが追加されている点です。これにより、連続射撃時の銃身の過熱を抑制する効果が期待できます。また、RPKは伏射時に肩付けしやすいように銃床の形状が変更されていますが、M72ではM70B1と同型の固定式銃床を採用しています。ただし、機械化部隊向けには、折り畳み式銃床を装備したモデル（M72AB1）も生産されました。

実戦での使用

M72は、ユーゴスラビア紛争で使用されました。また、ユーゴスラビア以外ではイラクで「アル・クズ」（Al-Quds）の名称でライセンス生産され、湾岸戦争やイラク戦争で使用されました。イラクでは、再建された軍や警察でも使用されています。

派生形

ツァスタバ M72B1: 木製固定式銃床を装備したモデル。
ツァスタバ M72AB1: AKMSと同型の金属製下方折り畳み式直銃床を装備したモデル。機械化部隊での使用を想定。

関連項目

ツァスタバ・アームズ
軽機関銃 / 分隊支援火器
* ツァスタバ M70

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