ツメクサ

ツメクサ（爪草）について

ツメクサは、ナデシコ科ツメクサ属に分類される一年生の植物で、学名はSagina japonica (Sw.) Ohwiと言います。日本全国の道端や空き地など、ごく身近な場所で普通に見られます。

特徴

ツメクサは、生育環境によって大きさが大きく変化します。道端などでは1cmにも満たない小さな姿でみられることもありますが、大きく成長すると草丈が15cm程度になることもあります。全体的に黄緑色から深緑色をしており、つやがあります。茎の上部には短い粘毛が生えています。茎は根元からよく枝分かれし、先端の茎は直立するか、地面を這うように伸びます。茎には節があり、そこから対生する葉が生えます。

葉は線形で、長さは8mmから20mm、幅は0.8mmから1.5mm程度です。葉の先端は尖っており、さらに針のように細く突き出しています。葉の付け根は膜状で、対になる葉と繋がって短い筒状になっています。托葉はありません。

花は4月から7月にかけて咲きます。花径は約4mmと小さく、萼片と白色の花弁がそれぞれ5枚あります。雄しべは5本、雌しべは先端が5つに分かれています。果実はほぼ球形で、熟すと先端が5つに裂けて種子を放出します。種子は黒色で、直径は0.4mmから0.5mm程度と非常に小さく、表面全体に突起があります。

和名の由来

ツメクサという名前の由来には、いくつかの説があります。一つは、葉の形が鳥の爪に似ているという説です。もう一つは、葉の形を切った爪に見立てたという説です。いずれにしても、葉の形が名前の由来になっていると考えられます。

分布と生育環境

ツメクサは、日本全国の道端や空き地、庭先など、日当たりの良い場所に生育します。湿った場所を好みますが、乾燥した場所でも生育可能です。生命力が強く、アスファルトの隙間など、わずかな土がある場所でも育つことができます。

参考文献

岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』秀和システム、2006年11月5日、182頁。ISBN 4-7980-1485-0。
長田武正『原色野草観察検索図鑑』保育社、1981年、352頁。ISBN 978-4-586-30058-7。

外部リンク

ツメクサの標本（東京都立大学 (1949-2011)理学部牧野標本館）
Sagina japonica (Sw.) Ohwi （The Plant List）（英語）

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