ツール・ド・フランス1995

1995年ツール・ド・フランスの振り返り

1995年のツール・ド・フランスは、7月1日から7月23日までの間に開催された、歴史的な82回目の大会であり、プロローグと全20ステージから成っていました。この年のコース設定は例年通りで、9ステージの後に休養日を挟み、さらに6ステージを行った後、再度休養日を設け、その後6ステージをこなす形態でした。大会はフランス・ブリュターニュ地方のサン＝ブリユーでスタートし、第6～8ステージはベルギーで行われました。

大会の見どころは、5連覇を目指す王者ミゲル・インドゥラインの存在です。前年の大会では予想以上の困難に直面しましたが、今回は彼にとって不安要素は少ないとみられていました。彼の主なライバルは、ジロ・デ・イタリアで優勝したトニー・ロミンゲルです。ロミンゲルは前年のツールでインドゥラインを圧倒したピョートル・ウグルモフと対戦し、その自信を胸にこの大会に挑みました。しかし、前年4位ながら持ち込まれた弱小チームの選手たちの退場も影響しました。

大会が始まると、サン＝ブリユーでのプロローグは豪雨の中で行われました。ここでジャッキー・デュランが惜しみなくアピールし見事に優勝しました。一方、前年優勝を狙ったボードマンは無理な戦法に出て転倒し、大会を早々に去ってしまうという波乱がありました。

序盤では、インドゥラインがスプリンターたちの陰に隠れている印象がありましたが、第7ステージでは一気に驚きの走りを見せます。彼は全選手に50秒の差を付けて独走し、8ステージでは個人タイムトライアルを制し、マイヨ・ジョーヌを手に入れました。これにより、彼の優位は続きました。

続いてアルプスステージに突入し、特に第10ステージはツールの代名詞とも言えるラルプ・デュエズでのゴールで、マルコ・パンターニが優勝を果たしました。インドゥラインも負けじと素晴らしい走りを見せ、火花散る展開となりましたが、ロミンゲルは大きなタイム差をつけられ、優勝への道が厳しくなってしまいました。さらに第12ステージでローラン・ジャラベールのアタックによって逆転の動きがあり、インドゥラインに3分35秒差まで迫りました。

ピレネーステージに入ると、パンターニが鮮やかに勝利を収め、インドゥラインは彼らを抑え込みます。しかし、残念なことに集団落車が発生し、モトローラチームのファビオ・カサルテッリが命を落とすという悲劇が起こりました。このため、第16ステージは追悼走行の形を取り、全選手が同じ時間で走行しました。

最終的に、インドゥラインは第19ステージの個人タイムトライアルでの優勝により、史上初の5連覇を達成しました。この結果、彼の名声は一層高まり、さまざまなグランツールでの地位を確立することに成功しました。また、同年には世界自転車選手権の個人タイムトライアルでも優勝し、素晴らしい成績を収めました。グランツールにおいては、ブエルタ・ア・エスパーニャが9月に移行し、ジロからツール、ブエルタへの流れが一層明確となる年となりました。

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