ツール・ド・北海道

ツール・ド・北海道（Tour de Hokkaido）

ツール・ド・北海道は、北海道の雄大な自然を舞台に繰り広げられる自転車ロードレース大会です。毎年9月に開催され、国内外のトップレベルの選手たちが集い、熱い戦いを繰り広げます。

大会の概要

ツール・ド・北海道は、フランスのツール・ド・フランスをモデルに、北海道を一周するようなコース設定を目指して1987年に始まりました。1997年からは国際大会となり、UCI（国際[[自転車競技連合]]）のアジアツアー2.2に組み込まれています。かつては日本最大のステージレースとして知られていましたが、近年は規模を縮小する傾向にあります。しかし、その歴史と格式は今も健在で、ツアー・オブ・ジャパン、ツール・ド・熊野と並び、日本を代表するステージレースの一つとして位置づけられています。

コースは毎年変更され、北海道内を「道北」「道南」「道東」の3地区に分け、ローテーションで開催される形式が長年採用されていました。近年では、複数地区を跨ぐコース設定も行われるようになり、変化に富んだレース展開が魅力となっています。

大会の歴史と困難

30年以上の歴史を持つツール・ド・北海道ですが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。2018年には、大会直前に発生した北海道胆振東部地震の影響で、開催が中止となりました。また、2020年と2021年には、新型コロナウイルス感染症の拡大により、やむなく中止の決断が下されました。

2023年には、初日のレース中に一般車両と選手が衝突する痛ましい事故が発生し、選手が亡くなるという悲劇に見舞われました。この事故を受け、大会は全日程中止となり、翌2024年の開催も見送られることとなりました。この事故は、大会運営における安全管理体制の不備を浮き彫りにし、関係者に大きな衝撃を与えました。

大会運営とテレビ放送

ツール・ド・北海道は、ツール・ド・北海道協会が主催し、日本[[自転車競技連盟]]が共催しています。大会運営は、ツール・ド・北海道国際大会実行委員会が行い、国土交通省、スポーツ庁、北海道、北海道市長会など、多くの関係機関が後援しています。

大会の模様は、道内民放テレビ局が番組内で取り上げることがあります。また、ダイジェスト番組も制作され、J SPORTSやBS朝日などで放送されています。公式YouTubeチャンネルでは、スタート、フィニッシュ、表彰式の模様がライブ配信され、レース当日のダイジェストも公開されています。

市民レースと課題

大会開催期間中には、一般のサイクリストも参加できる市民レースも開催されます。2007年度には、市民レースがステージレース化され、より本格的なレース体験ができるようになりました。

ロードレース特有の課題として、安全確保の問題があります。ツール・ド・北海道では、コースの交通規制を長時間行うことが難しいため、左側車線の通行のみが認められています。しかし、1997年の大会では、横風の影響で選手が右側車線にはみ出す事態が発生し、レースが急遽中止となる事態も発生しました。

2023年の事故とその後の検証

2023年の事故では、警察による交通規制が行われていたにも関わらず、対向車線にはみ出した選手が規制前に進入していた乗用車と衝突しました。事故後、北海道放送（HBC）が独自に取材を進め、事故原因の検証結果を発表しました。その結果、

一般車両に対する説明や通行止めが不十分であったこと
競技の先導車やマーシャルによる指示が不足していたこと
規制を知らせる看板や標識が不足していたこと
警備員の対応が不適切であったこと
* 中央線を越えて走行する選手がいたこと

など、複数の問題点が明らかになりました。この事故を教訓に、今後の大会運営における安全対策の徹底が求められています。

歴代コース

過去のツール・ド・北海道では、道北、道南、道東の順にローテーションで開催され、最終日は札幌で終える形式が一般的でした。初期には札幌が終点とならないケースも見られましたが、1996年から2012年までは最終日にモエレ沼公園をゴールとするコース設定がほぼ定着していました。2013年以降は、再び札幌を終点としないケースが増えています。

各年度のコース詳細は、以下の通りです。（詳細なコース略）

ツール・ド・北海道の今後

数々の困難を乗り越え、30年以上の歴史を紡いできたツール・ド・北海道。2023年の事故を乗り越え、安全対策を徹底し、再び北海道の地で熱いレースが繰り広げられることを願います。

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