ティアラ

ティアラについて

ティアラ（Tiara）は、女性の頭部に着用される装飾品の一つです。通常、特別な儀式や礼装時に用いられ、特に西欧や日本の皇室での使用が有名です。一般的に「ティアラ」という言葉は、広義には冠（クラウン）の仲間として捉えられますが、特に礼装の一部としての役割が強調されます。

礼服におけるティアラの位置付け

ティアラは、クラウンとは異なり、第二礼装用の装飾品とされています。広義のクラウンには、ティアラの他にもリース、コロネット、ミトラ、ダイアデムといった装飾が含まれます。しかし、クラウンは通常第一礼装向けの装飾品として用いられます。一方で、ティアラは前面に装飾を持つバンド型のデザインが特徴的で、後部には装飾がないため、横から見た際にすっきりとした印象を与えます。このデザインは、洗練されたヘアスタイルとの組み合わせに適しています。

ティアラには「足」と呼ばれる金具が付いており、着用時には髪やベールで隠す必要があります。この仕様が、ティアラをより一層魅力的に見せる要因にもなっています。

皇室におけるティアラの作成

歴史的に見ると、ティアラは女性皇族が成人する際に特別に制作されます。このプロセスでは、技能者が数名作品を献上し、その中から選ばれる形をとります。日本の皇室では、紀宮清子内親王のティアラは内廷費で製作された例があります。また、寛仁親王の長女、彬子女王のティアラも随意契約によりミキモトが製作した事例があります。

近代においては、競争原理が導入され、ティアラの作成は入札方式に移行しました。たとえば、瑶子女王のティアラ作成時には和光が1921万円で落札し、承子女王、典子女王、絢子女王、眞子内親王、佳子内親王といった後の皇族のティアラも同様の方法で制作されています。

ティアラの使用と管理

ティアラはその高額な制作費用のため、宮内庁が国費から資金を出し、国の所有物として管理されます。女性皇族はこれを借用し、結婚等で皇室を離れる際には返納する仕組みになっています。

また、ティアラは婚礼の際のヘッドドレスとしても人気があり、その格調や上品さから多くの女性に愛されています。さらに、現存するアンティーク部品には、脱着可能なパーツを含むものもあり、ネックレスやブローチとして再利用できるデザインも見られます。

ティアラはその名にふさわしい華やかさを持ち、また歴史的かつ文化的な意義をもっている一品です。特に、重要な式典や特別な場面での用い方に情熱を注ぐ女性にとって、ティアラはなくてはならない存在となっています。

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