ティールタンカラ

ティールタンカラとは

ティールタンカラ（サンスクリット: तीर्थंकर tīrthaṃkara）は、ジャイナ教における重要な存在であり、救済者や教祖として位置づけられています。ジャイナ教では、これまでに24人のティールタンカラが出現したとされ、その中で最後の人物がヴァルダマーナ、またの名をマハーヴィーラです。

ジャイナ教の時間観

ジャイナ教の思想は、他のインドの哲学と同様に、時間を「劫」と呼ばれる循環する単位で捉えています。この劫には、下降相（アヴァサルピニー）と上昇相（ウトサルピニー）があり、それぞれが6つの時期に分けられています。下降相においては、24人のティールタンカラが生まれることが定められています。

最初のティールタンカラリシャバは、下降第3期に生まれ、その後の下降第4期に他の23人のティールタンカラが続いて生まれました。最後のティールタンカラであるヴァルダマーナが亡くなった後には、下降第5期が始まり、現在も続いていると一般的に信じられています。一方、上昇相では、再び24人のティールタンカラが登場しますが、最初の人物はパドマナーバで、これは上昇第3期に生まれるとされます。

聖地と巡礼

ティールタンカラにゆかりのある場所は聖地とされ、信者たちは巡礼を行います。ジャイナ教の寺院は通常、24人のティールタンカラのうち1人を主神として祀り、その他のティールタンカラを祈念した祀堂も設けられています。これらの聖地は、信者たちにとって特別な意味を持ち、巡礼を通じて精神的な修行と救済を求める重要な場所となっています。

ティールタンカラの一覧

ティールタンカラの歴史については、主に『カルパ・スートラ』に記載されています。ヴァルダマーナより前の23人の事績は記されているものの、詳細に関しては最初のリシャバ、22番目のネーミ、23番目のパールシュヴァを除くと、おおむね簡単な記述にとどまります。これにより、各ティールタンカラは特定の象徴物や色で区別されることが決められており、信者はこれを通じてティールタンカラを認識します。

実在の人物としての評価

ヴァルダマーナの他にも、23代目のティールタンカラであるパールシュヴァも実在の人物であると広く認識されています。彼らの教えは、ジャイナ教の信者たちに深い影響を与え、現代においてもその教えは受け継がれています。

脚注

ジャイナ教に関するさらなる情報は、Hermann Jacobiの著作や渡辺研二の書籍などから得ることができます。これらの文献は、ティールタンカラに関連する歴史や思想を理解するための貴重な資料となっています。

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