テカポ湖

テカポ湖：ニュージーランド南島の宝石

テカポ湖は、ニュージーランド南島のマッケンジー盆地北端に位置する美しい湖です。プカキ湖、オハウ湖と並び、この地域を代表する湖の一つとして知られています。マッケンジー盆地にある3つの湖の中で最大の面積を誇り、その広さは83平方キロメートルにも及びます。湖面は海抜700メートルに位置し、その独特な青緑色は、氷河が削った岩石の粉が湖水に溶け込んでいるために生まれます。

湖の北側には南アルプス山脈がそびえ立ち、その山々から流れ込むゴッドレー川がテカポ湖の主な水源となっています。周辺は人気の観光地として栄えており、湖畔にはリゾートホテルや飲食店が点在するテカポ湖村があります。長距離バスの停留所も設けられているため、国内外からの観光客が頻繁に訪れ、休憩地として利用されています。また、村の北側に位置するジョン山にはマウントジョン天文台が設置されており、星空観察の名所としても知られています。

水力発電の役割

テカポ湖の南端からは、かつてテカポ川が流れていましたが、1938年に発電所建設が開始されました。第二次世界大戦の影響で一時中断したものの、1951年にテカポA発電所が完成しました。湖から取水された水は、地下水路を通って発電所に送られ、その後、元の川に戻されていました。しかし、1970年代にアッパー・ワイタキ水力発電計画が実施されたことで、水はプカキ湖畔のテカポB発電所へ続く運河へと流れるようになりました。

テカポA発電所には、1986年にタービンが故障したことを機に、より効率的な新しいカプラン水車が導入されました。この発電所は、現在25.2メガワットの発電能力を持ち、年間平均160ギガワットの電力を生み出しています。発電所の有効落差は30.5メートルです。

善き羊飼いの教会

テカポ湖畔に佇む善き羊飼いの教会は、1935年に建てられたマッケンジー地方で2番目の教会です。この地方で最初の教会は、1872年にバークス・パスに建てられたセント・パトリック教会であり、聖公会、長老派、カトリックの開拓者たちが協力して建てられました。

善き羊飼いの教会は、地元の芸術家エスター・ホープの下絵をもとに、クライストチャーチの建築家R.S.D.ハーマンによって設計されました。祭壇の窓からは、息をのむほど美しい湖と山々の景色が広がり、教会はニュージーランドで最も写真に撮られる建物の一つとされています。その風景は、訪れる人々に深い感動を与えます。

その他の情報

テカポ湖は、その美しい景観から「天文遺産」としても注目されています。夜空には満天の星が輝き、天体観測の愛好家にとっても魅力的な場所です。



関連項目
天文遺産

外部リンク
Church of the Good Shepherd

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