テキサス (1892)

アメリカ海軍初の戦艦「テキサス」

アメリカ海軍初の戦艦であるUSSテキサスは、その名が示す通りテキサス州にちなんで命名されました。1886年に建造が議会で承認され、設計コンペの結果、イギリス案が採用されました。しかし、その設計には初期から問題点が多く、特に砲の配置は射撃を制限し、砲弾装填位置の固定という致命的な欠陥がありました。

波乱に満ちた艦歴

1889年に起工したテキサスは、1892年に進水、1895年に就役しました。しかし、就役後すぐに乾ドックで損傷するなど不運が続き、そのジンクスから「古い疫病神 (Old Hoodoo)」という不名誉な愛称で呼ばれるようになりました。初期は北大西洋艦隊に配属され、アメリカ東海岸を巡航。その後、ガルベストンやニューオーリンズを訪問し、再び大西洋に戻るなど、各地を転々としました。

米西戦争での活躍

米西戦争勃発直前の1898年2月、テキサスはキーウェストで戦闘に備えて待機していました。その後、キューバのシエンフエーゴス沖での封鎖作戦に参加。サンティアーゴ・デ・クーバ沖ではグアンタナモ湾の偵察任務も行いました。カヨ・デル・トレ要塞への砲撃では、巡洋艦マーブルヘッドと共に要塞を沈黙させる戦果を上げました。

サンチャゴ・デ・クーバ海戦

1898年7月3日、テキサスはサンティアーゴ・デ・クーバ海戦でその実力を発揮します。スペイン艦隊がアメリカ軍の封鎖を突破しようとした際、テキサスは主砲でビスカヤとコロンを砲撃し、副砲は駆逐艦を攻撃。この海戦でスペイン艦隊は壊滅的な打撃を受け、その後のアメリカ軍の勝利に大きく貢献しました。

戦後の活動と終焉

サンチャゴ・デ・クーバ海戦での勝利後、テキサスはニューヨークに帰還し、東海岸での偵察任務を再開しました。その後、何度かの修理や退役、再就役を経て、1905年まで沿岸部隊の旗艦として活動しました。1908年にはステーション船となり、1911年には艦名をサンマルコスに変更。その後、標的艦として海没処分され、その歴史に幕を閉じました。

テキサスの遺産

テキサスは、その初期の設計上の欠陥や不運な出来事にもかかわらず、米西戦争での活躍を通じてアメリカ海軍の歴史に名を刻みました。その数奇な運命は、アメリカ海軍の黎明期を象徴する出来事として、語り継がれています。

関連項目

アメリカ海軍艦艇一覧

外部リンク

USS Texas (1895-1911), later renamed San Marcos - ウェイバックマシン
NavSource Online: Battleship Photo Archive TEXAS (2nd Class Battleship)
USS Texas from The Spanish-American War Centennial Website

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