テキストエディット

テキストエディットは、macOSに標準で付属するテキストエディタであり、かつてはClassic Mac OSにおけるテキスト編集のためのアプリケーションフレームワークでもありました。シンプルな見た目からは想像できないほど多機能なワープロソフトとしての側面も持ち合わせており、テキストの設定・編集だけでなく、HTML書類の処理、ムービーや画像の挿入など、市販のアプリケーションと同様の各種ツールを備えています。

アプリケーションとしてのテキストエディット

テキストエディットの起源は、NeXTSTEPに付属していたテキストエディタEditに遡ります。それをmacOSに移植したものが現在のテキストエディットです。開発フレームワークであるCocoaの機能、特にNSTextViewの機能をほぼそのまま反映したアプリケーションとして進化を続けており、macOSのバージョンアップごとに機能が強化されています。Apple Developers Toolsには全てのソースコードが付属しており、一種のデモソフトと捉えることも可能です。そのため、開発者がコードのテストベッドとして利用するケースも多く見られます。例えば、Mac OS X v10.4に付属のバージョンでは、埋め込みの表やHTML書き出し、Microsoft Wordのdoc形式ファイルのブラウズをサポートするまでに機能が拡張されました。

フレームワークとしてのTextEdit

フレームワークとしてのTextEditは、その歴史が非常に古く、macOS以前のClassic Mac OSにおいて、既に非常にシンプルなテキスト編集環境を提供していました。TextEditを利用することで、TeachText程度のテキストエディタを比較的容易に作成することができました。しかし、フレームワークとしては、32KBまでのテキストしか扱えない、多言語に対応できていないなど、いくつかの制約がありました。これらの欠点を補うために、Multilingual Text Editor（MLTE）と呼ばれるフレームワークが開発されました。しかし、MLTEが搭載されたMac OS 9がリリースされる頃には、サードパーティーによる強力なテキストエンジンであるWASTEフレームワークが既に普及していたため、MLTEが利用されることはほとんどありませんでした。現在では、CocoaのNSTextViewがTextEditに取って代わっています。NSTextViewは、その強力なテキスト処理能力から、広く受け入れられています。

関連項目

ワープロソフト
OpenDocumentをサポートするアプリケーションの一覧

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