テラ (人工衛星)

テラ (Terra) について

テラは、アメリカ航空宇宙局（NASA）が運用している地球観測衛星で、1999年12月18日に打ち上げられました。この衛星は、地球観測システム（EOS）の最初の大型衛星として位置づけられており、地球の環境システムに関するさまざまなメカニズムを解明することを主要な目的としています。特に、大気、雲、氷雪、水、植生などの観測を通じて、環境変化を追跡することが可能です。テラは、アメリカ空軍のヴァンデンバーグ空軍基地からアトラスIIロケットにより打ち上げられました。

テラの観測装置

テラには、さまざまな観測機器が搭載されており、それぞれが特定の役割を果たしています。主な観測装置は以下の通りです。

高性能熱放射反射放射計 (ASTER)

ASTER（Advanced Spaceborne Thermal Emission and Reflection Radiometer）は、資源探査のために開発された高性能のセンサーです。通商産業省が中心となり、日本の資源探査用観測システム研究開発機構(JAROS)と資源・環境観測解析センター(ERSDAC)が協力して開発されました。この装置は、可視光と近赤外線のデータを取得することで、地形や資源の監視を行います。

雲・地球放射エネルギー観測装置 (CERES)

CERES（Clouds and Earth's Radiant Energy System）は、雲からの放射エネルギーや地球自体からの放射を観測します。ラングレー研究センターによって開発されたこの装置は、エネルギー収支の測定に用いられ、多様な気象現象の理解に寄与しています。

複数角度分光放射計 (MISR)

MISR（Multi-angle Imaging Spectroradiometer）は、NASAとジェット推進研究所が共同で開発した装置です。この機器は、直下および異なる角度からのデータ取得が可能で、計9台のCCDカメラを使用して、地球表面をマルチスペクトルで観測します。これにより、地球の表面特性や空気中の成分を多角的に解析できます。

中分解能撮像分光放射計 (MODIS)

MODIS（Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer）は、ゴダード宇宙飛行センターによって開発された装置で、可視光と赤外線のデータを高い解像度で撮影します。この装置は、衛星からの地球の監視を容易にし、環境モニタリングに重要な役割を担っています。

対流圏汚染観測装置 (MOPITT)

MOPITT（Measurements of Pollution in the Troposphere）は、カナダ宇宙庁が開発した装置で、主に対流圏内の大気汚染物質を観測します。この装置は、大気中の一酸化炭素やメタンのレベルを測定し、環境問題の理解及び対策に貢献しています。

まとめ

テラは、これらさまざまな観測装置を駆使して、地球環境の変化を詳細に解析し、研究者や政策立案者に有用なデータを提供しています。地球観測システムの発展を促し、持続可能な環境管理の手助けとなることを目的としています。テラは、環境保全のための重要な役割を果たす宇宙の監視者として、地球を見守っています。

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