テラヘルツ

テラヘルツ（THz）とは？

テラヘルツ（THz）は、周波数の単位として国際単位系に位置づけられています。一テラヘルツは、1兆ヘルツ（10^12 Hz）、または1000ギガ[[ヘルツ]]（GHz）、0.001ペタヘルツ（PHz）に相当します。具体的には、1 THzの周期は1ピコ秒であり、関連する電磁波の波長は約300マイクロメートルに及びます。

テラヘルツ波の特性

テラヘルツ帯の電磁波は、通常「テラヘルツ波」と呼ばれるもので、光波の直進性と電波の透過性という特性の両方を有しています。これは科学技術の進展を背景にした新たな周波数領域であり、日本の電波法においても、三百万メガヘルツ以下の電磁波を「電波」として定義し、それを超える周波数は遠赤外線に分類されています。テラヘルツの周波数は、実際にはマイクロ波の一種とみなされます。

テラヘルツ電磁波は大気中で減衰が大きいため、その到達距離は限られています。しかし、テラヘルツ波に関連する技術は、最近以来急速に発展しており、特に医学的イメージングや監視、セキュリティシステムなどに応用され始めています。

テラヘルツ技術の市場展望

テラヘルツ電磁波の技術は「最後の未踏領域」とも言われており、今後10年でこの市場は大きな成長を見込まれています。具体的には、2014年には5470万ドルの市場規模が、2024年には12億ドルに増加するという予測があります。この成長が見込まれる背景には、各国でベンチャー企業がテラヘルツ分野に進出している現状があります。

技術の進展

従来、テラヘルツ波の発振および検出には超伝導素子が用いられていましたが、最近ではガリウムナイトライド（GaN）などの化合物半導体やDASTと呼ばれる有機光学結晶を活用し、室温でも発振が実現するようになりました。この技術の進展は、テラヘルツ波の利用可能性を一段と高め、さまざまな応用の可能性を広げています。

応用分野

テラヘルツ波の利用範囲は広がっており、特に以下のような応用が注目されています。

- 医療関係: 医薬品の固有スペクトルを検出し、腫瘍発見や医学研究に役立てられています。
- セキュリティ: 火薬類や禁止薬物のスペクトルを用いて探知する技術が開発されています。
- 非破壊検査: 対象物を傷めることなく内部構造を分析する手法として利用されます。
- 無線通信: 第6世代移動通信システムでの利用が検討されており、今後の通信技術の一部として期待されています。