テリア (企業)

Telia Company AB：北欧通信業界の巨人

Telia Company ABは、スウェーデンのソルナに本社を置く、北欧およびバルト三国を主要市場とする大規模な電気通信事業者です。固定電話、携帯電話サービスなどを提供しており、ナスダック・ストックホルムとヘルシンキに上場しています。スウェーデン政府は同社の株式を約4割保有し、その影響力も大きいと言えるでしょう。

歴史：電報から5Gへ

Telia Company ABの歴史は古く、1853年、ストックホルムとウプサラ間の電報開通を契機に設立されたKongliga Elektriska Telegraf-Werketにまで遡ります。その後、Kongl Telegrafverketと改称し、スウェーデンの通信網の統合に重要な役割を果たしました。当初はAllmänna Telefonなどの民間事業者との競争もありましたが、政府主導で買収を進め、事実上の独占体制を築き上げました。1953年には社名をTeleverketに変更。

1992年には郵便事業を分社化し、1993年に固定電話と携帯電話事業を担うTelia ABとして独立。NMTやGSMなどの新技術をいち早く導入し、市場をリードしました。1990年代にはTele2などの競争企業の台頭により独占体制は崩れましたが、インターネット・バブル期には株価が急騰し、一時はストックホルム証券取引所の取引の約3分の1を占めるほどになりました。また、この時代には企業買収を通じてバルト三国市場への進出も果たしました。

ソネラとの合併と発展

フィンランドでは、1917年設立のSuomen Lennätinlaitosが通信事業を独占していましたが、1994年の制度改革により独占体制は解消されました。1998年にSonera Oyjと改称したフィンランドの通信事業者と、2003年にTelia ABが合併し、「TeliaSonera」が誕生しました。その後、フランスの通信事業者であるFrance Télécom（現Orange）のデンマーク事業を買収するなど、積極的に事業拡大を図りました。2008年にはFrance Télécomから買収の試みを受けたものの、これは不調に終わっています。

2016年には社名をTelia Company ABに変更し、現在に至ります。2020年にはスウェーデンで商用5Gサービスを開始するなど、技術革新にも積極的に取り組んでいます。

事業内容と現状

Telia Company ABは、北欧4カ国（スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク）とバルト三国（エストニア、ラトビア、リトアニア）で、幅広い通信サービスを提供しています。固定電話、携帯電話に加え、ブロードバンドインターネット接続、データセンターサービスなども提供しており、個人顧客だけでなく、企業顧客も対象としています。

近年は、デジタル化の進展に伴い、クラウドサービスやIoT関連サービスへの投資も強化しています。また、持続可能性への取り組みも積極的に行なっており、環境への配慮や社会貢献活動にも力を入れています。

まとめ

Telia Company ABは、1853年の設立以来、長年にわたり北欧とバルト三国の通信インフラを支えてきた歴史を持つ企業です。政府の支援も受けながら、技術革新と市場開拓を継続し、現在では北欧を代表する通信事業者として確固たる地位を築いています。今後も、デジタル社会の進展に対応し、新たなサービスを提供していくことが期待されています。

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