テレボーン・パリッシュ級戦車揚陸艦

テレボーン・パリッシュ級戦車揚陸艦

テレボーン・パリッシュ級戦車揚陸艦は、アメリカ海軍が運用していた戦車揚陸艦の艦級であり、基本計画番号はSCB-9です。

開発の経緯

1940年代、アメリカ海軍は戦車揚陸艦の速度向上を追求し、タルボット・カウンティ級を建造しました。タルボット・カウンティ級は最大14ノットを発揮し、LST-1級よりも高速でしたが、海軍が目標としていた20ノットには届きませんでした。

当初、120mを超える大型化も検討されましたが、量産性の問題から、タルボット・カウンティ級の設計をベースに改良を加えることとなりました。その結果として誕生したのが、テレボーン・パリッシュ級です。

設計

タルボット・カウンティ級の拡大版として設計されたテレボーン・パリッシュ級は、主機関に大きな変更が加えられました。タルボット・カウンティ級が蒸気タービンエンジンを搭載していたのに対し、テレボーン・パリッシュ級では同出力のディーゼルエンジンを採用しました。艦首形状の改良と船体の延長により、速力はわずかに向上し15ノットとなりました。

また、揚陸作戦時の低速航行における操縦安定性を確保するため、可変ピッチプロペラ（CPP）が採用されています。ディーゼルエンジンを搭載するLST-1級とは異なり、煙突排気方式が採用されました。

兵装面では、50口径3インチ単装速射砲3基が搭載されました。タルボット・カウンティ級と比較して口径は小さくなったものの、個艦防空能力は向上しています。砲は艦首に2基、艦尾に1基装備され、Mk.63 砲射撃指揮装置2基によって管制されていました。1964年から1965年にかけて、これらの砲は連装砲塔に換装されました。

上陸用舟艇を運用するためのダビットが両舷に2基ずつ設置され、通常は人員揚陸艇（LCPL）1隻と車両人員揚陸艇（LCVP）3隻が搭載されました。搭載兵員数は約396名と、タルボット・カウンティ級からほぼ倍増しています。これは、揚陸後の車両操縦要員も考慮したためです。艦橋構造物の直前には、キングポストとクローラークレーンが設置されています。

同型艦

1952年度計画で15隻が発注され、1954年までに全艦が就役しました。しかし、1974年までに全艦が退役または友好国へ供与され、アメリカ海軍での運用を終えました。

テレボーン・パリッシュ (USS Terrebonne Parish, LST-1156)：1952年就役
テレル・カウンティ (USS Terrell County, LST-1157)：1954年就役
ティオガ・カウンティ (USS Tioga County, LST-1158)：1953年就役
トム・グリーン・カウンティ (USS Tom Green County, LST-1159)：1953年就役
トラヴァース・カウンティ (USS Traverse County, LST-1160)：1953年就役
ヴァーノン・カウンティ (USS Vernon County, LST-1161)：1953年就役
ワカイアカム・カウンティ (USS Wahkiakum County, LST-1162)：1953年就役
ワルド・カウンティ (USS Waldo County, LST-1163)：1953年就役
ウォルワース・カウンティ (USS Walworth County, LST-1164)：1953年就役
ワショー・カウンティ (USS Washoe County, LST-1165)：1953年就役
ワッシュテナウ・カウンティ (USS Washtenaw County, LST-1166)：1953年就役
ウエストチェスター・カウンティ (USS Westchester County, LST-1167)：1954年就役
ウェックスフォード・カウンティ (USS Wexford County, LST-1168)：1954年就役
ホイットフィールド・カウンティ (USS Whitfield County, LST-1169)：1954年就役
ウィンダム・カウンティ (USS Windham County, LST-1170)：1954年就役

参考文献

(参考文献の情報が提供されていれば、ここに記載)

関連項目

* テレボーン・パリッシュ級戦車揚陸艦に関するウィキメディア・コモンズのカテゴリ

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