テン・サマナーズ・テイルズ

テン・サマナーズ・テイルズ (Ten Summoner's Tales)

1993年にリリースされたスティングの5枚目のソロアルバム『テン・サマナーズ・テイルズ』。このタイトルは、スティングの本名ゴードン・サムナーと、詩人ジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』に登場するキャラクター「The Summoner（召喚者）」を掛け合わせたもので、ユーモアが感じられます。

アルバムには、12曲が収録されており、曲調の統一感はやや薄いものの、それぞれが魅力的な特徴を持っています。前作『ソウル・ケージ』が内省的な雰囲気を醸し出していたのに対し、『テン・サマナーズ・テイルズ』は愛や道徳というテーマを中心に、陽気な気分で展開されています。特に「Heavy Cloud, No Rain」は軽快で、コミカルな印象すら与えます。

アルバムは1998年にデジタル・リマスター版が登場し、その際に「If I Ever Lose My Faith In You」のビデオがボーナストラックとして追加されました。しかしながら「Everybody Laughed But You」は、アメリカとカナダでのリリースからは外されたままとなっています。この曲は後に歌詞を変更してシングル「Seven Days」として再録されました。

加えて、「It's Probably Me」はスティングがエリック・クラプトンと共演した曲ですが、クラプトンはこのアルバムの再録バージョンには参加していません。また「Shape of My Heart」は映画『レオン』のエンディングで使用され、さらに多くのリスナーに愛されています。

収録曲一覧

- If I Ever Lose My Faith In You (ルーズ・マイ・フェイス・イン・ユー) - 4:30
- Love Is Stronger Than Justice (ラヴ・イズ・ストロンガー・ザン・ジャスティス) - 5:11
- Fields Of Gold (フィールズ・オブ・ゴールド) - 3:42
- Heavy Cloud No Rain (ヘヴィ・クラウド・ノー・レイン) - 3:39
- She's Too Good For Me (シーズ・トゥ・グッド・フォー・ミー) - 2:30
- Seven Days (セヴン・デイズ) - 4:40
- Saint Augustine In Hell (セント・オーガスティン・イン・ヘル) - 5:05
- It's Probably Me (イッツ・プロバブリー・ミー) - 4:57 (エリック・クラプトンとの共作)
- Everybody Laughed But You (エヴリバディ・ラフト・バット・ユー)
- Shape Of My Heart (シェイプ・オブ・マイ・ハート) - 4:38 (ドミニク・ミラーとの共作)
- Something The Boy Said (サムシング・ザ・ボーイ・セッド) - 5:13
- Epilogue (Nothing 'Bout Me) (ナッシング・バウト・ミー) - 3:39

参加ミュージシャン

- ドミニク・ミラー – ギター
- ヴィニー・カリウタ – ドラム
- デヴィッド・サンシャス – キーボード
- Larry Adler - クロマティックハーモニカ
- Willi Burger - クロマティックハーモニカ
- Brendan Power - クロマティックハーモニカ
- John Barclay – トランペット
- Guy Barker – トランペット
- Sian Bel – チェロ
- James Boyd – ヴィオラ
- Richard Edwards – トロンボーン
- Simon Fischer – ヴァイオリン
- David Foxxe – ナレーション
- Paul Franklin - ペダルスチール
- Kathryn Greeley – ヴァイオリン
- Dave Heath – フルート
- キャスリン・ティッケル - ノーザンブリアン・スモール・パイプ、フィドル
- Mark Nightingale – トロンボーン

このアルバムは、スティングの音楽性の幅広さを象徴しており、リスナーにとっても多様性のある聴きごたえを提供しています。

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