テーラー・デント

テイラー・デント：ビッグサーバーの血統を受け継ぐテニスプレーヤー

テイラー・フィリップ・デント（Taylor Phillip Dent, 1981年4月24日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ニューポートビーチ出身の元男子プロテニス選手です。彼の名前がテニスファンに広く知られているのは、1974年全豪オープン男子シングルス準優勝者であるフィル・デントを父に持つ、親子二代のプロテニス選手であるという点でしょう。

プレースタイルと選手経歴

テイラー・デントは、男子プロテニス界でも屈指のビッグサーバーとして知られ、強力なサーブ＆ボレーを最大の武器にしていました。そのプレースタイルは観客を魅了し、数々の試合で記憶に残る活躍を見せました。シングルス自己最高ランキングは21位。

往年の名選手フィル・デントが31歳の時に生まれたテイラーは、父のダブルス・パートナーであったジョン・アレクサンダーが名付け親となりました。しかし、意外にもテニスを始めたのは10歳からでした。1998年にプロ入りし、同年の全米オープンで4大大会デビューを果たします。2回戦では、当時若手有望株だったマラト・サフィンと対戦しました。

2000年ウィンブルドン選手権でウィンブルドン初出場を果たした際には、1回戦で第2シードのアンドレ・アガシと対戦。試合は途中棄権という形になりましたが、アガシは「（あのフィル・デントの息子が）大きくなって、ここまで来たね」と賞賛しました。この言葉は、彼がテニス界で注目される存在であることを示していました。

2002年7月には、テニス殿堂選手権決勝でジェームズ・ブレークを破り、ATPツアー初優勝を飾ります。2003年はツアーで年間3勝を挙げ、全米オープンで初の4回戦に進出。しかし、ここでもアガシの前で途中棄権という不運に見舞われました。2005年ウィンブルドン選手権では4回戦進出を果たしましたが、4大大会でのベスト8以上の成績はありませんでした。

アテネ五輪とその後

2004年アテネ五輪では、アメリカ代表選手として男子シングルスに出場。準決勝まで勝ち進みましたが、チリのニコラス・マスーに敗れます。3位決定戦でもフェルナンド・ゴンサレスとの激戦の末に敗れ、惜しくも銅メダルを逃しました。この試合は、彼のキャリアの中でも特に記憶に残る激闘として語り継がれています。アテネ五輪後、ジャパン・オープン・テニス選手権決勝でイジー・ノバクに逆転負けし、準優勝に終わりました。

その後は背中の故障に苦しみ、試合出場数が減少。2009年全米オープンで久々の3回戦進出を果たしましたが、第2シードのアンディ・マリーにストレートで敗れました。

2010年に現役を引退。引退後は、テニス解説者やコーチとして活動しています。また、2006年には同じアメリカのテニス選手であるジェニファー・ホプキンスと結婚し、2010年には長男が誕生しています。

主な戦績

ATPツアーではシングルスで4勝、ダブルスで1準優勝を記録。


4大大会シングルスの成績は以下の通りです。




ビッグサーバーとして一時代を築き、観客を魅了したテイラー・デント。そのプレースタイルと、父から受け継いだテニスの血は、多くのテニスファンに記憶されています。

もう一度検索