ディアゴナール

ディアゴナール・ド・フランス

ディアゴナール・ド・フランス（Les Diagonales de France）は、フランス全土に広がる対角線を走破する長距離サイクリングイベントであり、主にシクロツーリスム愛好家によって参加されています。このイベントは、1930年に「シクロツーリスムの父」と称されるポール・ド・ヴィヴィ（通称ヴェロシオ）の発案によって始まりました。現在、このイベントはフランス・シクロツーリスム連盟（FFCT）の主催により運営されています。

イベントでは、920キロメートルから1,400キロメートルまでの9つのルートが設定されており、それぞれのコースは77時間から116時間の制限時間の中で完走することが求められます。走行速度は、休憩時間を含めて時速約12キロメートルを目安に設定されています。

ルートの種類

ディアゴナール・ド・フランスには、以下のようなルートがあります：

• - ブレスト - マントン：1,400km、116時間
• - ダンケルク - ペルピニャン：1,190km、100時間
• - ダンケルク - マントン：1,190km、100時間
• - アンダイエ - ストラスブール：1,170km、99時間
• - ブレスト - ペルピニャン：1,060km、89時間
• - ブレスト - ストラスブール：1,050km、88時間
• - ダンケルク - アンダイエ：1,050km、88時間
• - アンダイエ - マントン：940km、78時間
• - ストラスブール - ペルピニャン：940km、78時間

参加者は各ルートの起点と終点が規定されていますが、具体的なコースや日程は自由に設定できます。また、ヴェロシオの遺言に従い、自力での走行が求められ、車両の伴走は禁止されています。

「ディアゴナール」という自転車

ディアゴナールはまた、自転車のモデル名としても知られています。1950年代から1960年代にかけて、フランスの自転車メーカーであるルネ・エルス（René Herse）が「diagonale」という商品を販売していました。このモデルには、Ideale #92 diagonaleというフランス製のサドルが搭載されていました。

また、1982年には日本のブリヂストンサイクルが「ユーラシア」シリーズに「ユーラシアグラン ディアゴナール」という製品を加えました。この自転車は、当時の日本式ランドナーに近いデザインで、ツーリングとスポルティーフの中間に位置するものでした。ブリヂストンはその後も、「アトランティス」や「トラベゾーン」といったブランドにおいてディアゴナールというモデルを展開しました。しかし、これらの名称が広く自転車のジャンルとして認識されたかどうかは疑問が残ります。

比較すると、ルネ・エルスが製造したモデルはセンタープルブレーキを装備しているのに対し、ブリヂストンのモデルは輪行を考慮してカンチレバーブレーキを使用しているなど、デザインや機能において異なるアプローチが見られます。

ディアゴナール・ド・フランスは、ただのサイクリングイベントだけでなく、フランスのサイクリストたちにとっての伝統や文化が詰まった行事でもあります。

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