ディサポイントメント島

ディサポイントメント島：絶望と生命が息づく孤島

ディサポイントメント島は、ニュージーランドのオークランド諸島に属する無人島です。オークランド島から北西へ約8km、ニュージーランド南島からは南へ約475km離れた場所に位置します。その名の通り、「失望」や「失意」を意味するこの島は、過去に幾度かの悲劇に見舞われてきました。

貴重な鳥類の楽園

しかし、ディサポイントメント島は絶望の島であると同時に、貴重な生命を育む場所でもあります。特に、オークランドハジロアホウドリの重要な繁殖地として知られ、そのほぼ全個体数にあたる約6万5千組のつがいが営巣しています。また、かつては絶滅したと考えられていたオークランド諸島固有種のオークランドクイナが、1966年に再発見され、現在もこの島でひっそりと生息しています。

海難事故の歴史

ディサポイントメント島の名前の由来は定かではありませんが、資源の乏しさや、周辺海域での海難事故の多発が影響していると考えられています。実際に、この島周辺では過去に2件の重大な海難事故が発生しています。

1866年5月14日：1103トンのフルリグド・シップ「General Grant号」がオークランド島西岸の崖に衝突し、68名が死亡。15名の生存者がディサポイントメント島に漂着し、18週間後に救助されました。
1907年3月7日：4本マストの鋼鉄バーク船「Dundonald号」がディサポイントメント島西岸に座礁し沈没。12名が溺死し、16名の生存者が7ヶ月間救助を待ちました。生存者たちは、オークランド島に設置されていた遭難者避難所の物資によって生き延びることができました。

1907年11月には、科学探検隊がこの島を訪れています。

重要野鳥生息地としての指定

ディサポイントメント島は、その生態学的価値の高さから、重要野鳥生息地(IBA)の「オークランド島グループ」に含まれています。このグループは、海鳥の繁殖地としてだけでなく、固有種のオークランドウ、クリイロコガモ、オークランドクイナ、オークランドムカシジシギの生息地としても重要な役割を果たしており、バードライフ・インターナショナルによって指定されています。

まとめ

ディサポイントメント島は、過去の悲劇を背負いながらも、貴重な動植物を育む自然豊かな島です。その名前とは裏腹に、生命の力強さを感じさせるこの島は、私たちに自然保護の重要性を改めて教えてくれます。

関連項目

南極研究科学委員会
ニュージーランドの亜南極諸島
南極周辺の島の一覧
ニュージーランドの島の一覧
島の一覧
無人島

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