ディジット

ディジット (Digit)

ディジットとは、主に長さや割合を表す単位であり、その名称はラテン語の「ディギトゥス (digitus)」に由来しています。この言葉は「親指以外の手指」を意味しており、英語では「finger」に相当します。

長さの単位としてのディジット

ディジットは元々、人間の指の幅に基づいた身体尺に起源があります。具体的には、大人の指の幅（親指を除く）とされ、古代エジプトや古代ギリシャの様々な長さの尺度と相関関係にあります。

古代エジプトと古代ギリシャ

古代エジプトでは、ディジットは1⁄28キュビットに相当し、約1.9センチメートルと言われています。一方で、古代ギリシャにおいては、ディジットは1⁄40キュビットとされ、おおよそ1.14センチメートルにあたります。両者ではキュビットの長さが異なるため、同じ単位でも測定値が異なる点に留意が必要です。

ヤード・ポンド法におけるディジット

ヤード・ポンド法では、ディジットは1⁄16フィート、すなわち3⁄4インチとして定義されています。古代の換算率によれば、「2キュビット = 1ヤード」となり、これを用いるとディジットは1⁄24キュビットに相当します。また、国際インチに基づくと、ディジットは正確に約1.905センチメートルとなります。

その他の腕に関する単位

以下は、ディジットに関連する他の長さの単位です。現在では一般には使用されていませんが、歴史的には重要な測定単位とされていました。

• - フィンガー (finger) - 7/6ディジット
• - パーム (palm) - 4ディジット
• - ハンド (hand) - 16/3ディジット
• - シャフトメント (shaftment) - 8ディジット
• - スパン (span) - 12ディジット
• - キュビット (cubit) - 24ディジット
• - エル (ell) - 60ディジット

また、ディジットはネイルとほぼ同等の長さとされますが、ネイルは他にも1/16ヤードや異なる物理量を表す言葉として使われることがあります。

割合の単位としてのディジット

ディジットは、古代から少なくとも18世紀までの天文学において、割合の単位としても使用されてきました。具体的には、1⁄12を表す割合の単位として利用され、太陽や月の視直径を12ディジットとし、日食や月食の際に欠けた割合を示すための基準となりました。

このように、ディジットは長さや割合を測定するための重要な単位として、古代から現代にかけて広く使われてきました。

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