ディスカバリーランド

ディスカバリーランド:過去の人々が見た未来



ディスカバリーランド(Discoveryland)は、フランスディズニーランド・パーク内にあるテーマランドです。1992年にオープンしたこのエリアは、従来の「トゥモローランド」とは一線を画す、独特の世界観を打ち出しています。

未来への憧憬とレトロフューチャーのデザイン



従来の未来都市をイメージしたトゥモローランドとは異なり、ディスカバリーランドは「過去の人々が夢見た未来」をテーマとしています。ジュール・ヴェルヌやH.G.ウェルズといった作家たちの空想科学小説、『海底二万里』や『タイムマシン』などがモチーフとなっており、アトラクションや建築物にもその影響が色濃く反映されています。

建物のデザインは、白や青を基調としたトゥモローランドとは対照的に、青緑や金色を基調としたレトロフューチャーなスタイル。未来的な要素とクラシックな要素が融合した、独特の雰囲気を醸し出しています。ただし、一部アトラクションはトゥモローランドから引き継がれたものもあり、必ずしもすべてが新しく作られたわけではありません。これらのアトラクションは、過去の人々が未来をどのように想像していたのかを示すものとして位置づけられています。

ディスカバリーランドのデザインやテーマは、後に東京ディズニーシーの「ポートディスカバリー」や「ミステリアスアイランド」にも大きな影響を与えました。また、1998年のカリフォルニアディズニーランドにおける「New Tomorrowlandプロジェクト」にも、そのデザイン要素の一部が取り入れられています。


オリジナルアトラクションとテーマの変遷



ディスカバリーランドには、独自のテーマを反映した様々なアトラクションが存在します。「オービトロン」や、当初はトゥモローランドにあった「サーキュラマ」をベースに開発された「ル・ヴィジョナリウム」などがその例です。「ル・ヴィジョナリウム」は、後に東京ディズニーランドの「ビジョナリアム」、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドの「タイムキーパー」として導入されましたが、現在はすべて閉鎖されています。

ディスカバリーランドのテーマを本格的に反映したアトラクションとして、1995年にオープンした「スペース・マウンテン」と「ノーチラス号のミステリー」が挙げられます。「スペース・マウンテン」は、コースレイアウトやアトラクションテーマに改良が加えられ、ジュール・ヴェルヌの小説を基調としたストーリー展開になっています。また、「ノーチラス号のミステリー」は、『海底二万里』の世界観を体験できるウォークスルー型の、ディスカバリーランドのテーマを象徴するアトラクションです。

その後、スペースマウンテンは「スペース・マウンテン:ミッションⅡ」としてリニューアルされ、ジュール・ヴェルヌのテーマは廃止されました。「ル・ヴィジョナリウム」も閉鎖され、「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」へと変更されています。これに伴い、エリアの色使いも銀やメタリックブルーが使用されるようになり、当初のテーマやデザインから徐々に離れつつあると言えるでしょう。


ジュール・ヴェルヌの世界観の継承:東京ディズニーシー



しかし、ディスカバリーランドで始まったジュール・ヴェルヌの世界観は、東京ディズニーシーの「ポートディスカバリー」と「ミステリアスアイランド」で完全に継承されています。日本では『海底二万里』を原作とするアニメ『ふしぎの海のナディア』の人気などもあって、この世界観は根強い人気を誇っており、今のところデザインやテーマを変更する動きも見られません。結果として、ディスカバリーランドの本流は東京ディズニーシーへと受け継がれていると言えるのかもしれません。


ディスカバリーランドの施設



アトラクション:

スター・ウォーズ ハイパースペース・マウンテン
ノーチラス号のミステリー
スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー
オービトロン
オートピア
スティッチ・エンカウンター
ディズニーランド鉄道 ディスカバリーランド駅
バズ・ライトイヤーのレーザーブラスト
ビデオポリス・シアター
アストロポートサービス・インターステラー
アーケード・アルファ&ベータ

ショップ:

コンステレーション
スター・トレイダーズ
ライト・スピード・フォトグラフィー

レストラン:

バズ・ライトイヤーズ・ピザ・プラネット・レストラン
カフェ・ハイペリオン
ロケット・カフェ


終了したアトラクション:

ル・ヴィジョナリウム


ル・ヴィジョナリウム:タイムトラベルの夢



「ル・ヴィジョナリウム」は、時間旅行をテーマにした映画型アトラクションでした。当初は、カリフォルニアディズニーランドの駐車場に建設予定だった「WestCOT」向けに開発されましたが、プロジェクトの中止に伴い、ディズニーランドパリのディスカバリーランドでオープンしました。ジュール・ヴェルヌやH.G.ウェルズの作品にインスパイアされたストーリー展開と、当時としては最先端の技術を用いた映像演出が特徴でした。しかし、現在では閉鎖され、他のアトラクションに置き換えられています。


ディスカバリーランドは、レトロフューチャーなデザインと、独自のテーマに基づいたアトラクションが魅力のテーマランドです。その世界観は、他のディズニーパークにも影響を与え、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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