ディープ・ハウス

ディープ・ハウス (Deep House) とは

ディープ・ハウスは、ハウスミュージックのサブジャンルの一つであり、125BPM前後のテンポで、陶酔感を誘うメロディとシンプルなメインビートが特徴です。派手な音色を避け、緩やかに展開していく曲構成が特徴で、ディスコやガラージュといったブラックミュージックから大きな影響を受けています。

歴史

ディープ・ハウスのルーツは、1970年代のニューヨークのクラブシーンに遡ります。デヴィッド・マンキューソのThe Loft、ニッキー・シアーノのThe Gallery、そしてラリー・レヴァンのParadise Garageといったクラブでプレイされていた音楽が、その源流となっています。

1980年代に入ると、シカゴのクラブWare Houseで、フランキー・ナックルズがソウルフルなダンスミュージックにドラムマシーンのビートを乗せるプレイスタイルを確立し、これがハウスミュージック誕生のきっかけとなりました。当時、Ware Houseでプレイされていた音楽はウェアハウスミュージックと呼ばれていましたが、次第に省略され「ハウス」と呼ばれるようになります。

1992年にはニューヨークにSound Factoryがオープンし、ジュニア・ヴァスケスがBPMが速く、激しいスタイルの新しいハウスをプレイし、ハード・ハウスとして人気を博します。さらにヨーロッパからはプログレッシブ・ハウスが登場するなど、ハウスミュージックの細分化が進みました。その結果、当時単にハウスと呼ばれていた名称は、いつのまにかディープ・ハウスと呼ばれるようになっていったのです。

ディープ・ハウスとして初めて評価されたのは、1996年にニューヨークのクラブVinylで始まったパーティー、Body & Soulです。このパーティーは、ラリー・レヴァンと共にParadise GarageなどでDJをしていたフランソワ・ケヴォーキアン、ダニー・クリビット、そしてニューヨークのダンスミュージック専門レコード店Dance Tracksの経営者であったジョー・クラウゼルによって開催され、ニューヨークは勿論、世界中から人気を集めました。現在も日本を含めた世界中で開催され、ジャンルや人種の壁を超えた人気パーティーとなっています。

受け入れられた年代と地域

ディープ・ハウスは、1980年代からシカゴ、ニュージャージー州、1990年代からデトロイト、ニューヨーク、2000年代からカリフォルニア州、フランス、日本で人気を集めています。

代表的なアーティスト

以下に、ディープ・ハウスの代表的なアーティストを挙げます。

アルトン・ミラー
アンソニー・ニコルソン
シェ・ダミエ
ジョー・クラウゼル
ジョーダン・フィールズ
ジョボン
カリズマ
カイ・アルケ
クリス・グレイ
グレン・アンダーグラウンド
ケヴィン・ヨスト
ケリー・チャンドラー
チャールズ・ウェブスター
ヒデオ・コバヤシ
ブー・ウィリアムス
ブライアン・ハーデン
フランク・ロジャー
ブレイズ
ブレット・ダンサー
ベン・ワット（エヴリシング・バット・ザ・ガール）
Fish Go Deep
マイク・グラント
ラリー・ハード
リック・ウェイド
ロイ・デイビス Jr.
ロマット
ロマンソニー
ロン・トレント
KASKADE
DJ Deep
RONDENION
Prince Fox

また、以下のアーティストもディープ・ハウスとされる楽曲を多くリリースしています。

ヒデオ・コバヤシ
セオ・パリッシュ
ムーディーマン
フランソワ・ケヴォーキアン
ダニー・クリビット
Hiroshi Watanabe

関連項目

* UKガラージ - 派生ジャンルに同じく「ディープハウス」と呼ばれるものがあります。

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