デイヴィッド・ハーレイ

デイヴィッド・ハーレイ：オーストラリアの元軍人、総督としての軌跡

デイヴィッド・ジョン・ハーレイ（David John Hurley、1953年8月26日生まれ）は、オーストラリアの傑出した軍人であり、政治家です。陸軍大将の階級まで昇り詰め、ニューサウスウェールズ州総督を経て、2019年7月1日から2024年7月1日までオーストラリア総督を務めました。

生い立ちと教育

ハーレイはニューサウスウェールズ州ウロンゴンで、鉄鋼メーカー勤務の父ジェームズと雑貨店に勤める母ノーマの間に生まれました。ポートケンブラで育ち、1971年にポートケンブラ高校を卒業後、ダントルーン王立陸軍士官学校とディーキン大学で学びました。妻リンダ（旧姓マクマーティン）との間に3人の子供がいます。

軍歴

1972年1月にダントルーン王立陸軍士官学校に入校し、1975年12月に卒業。中尉としてオーストラリア王立歩兵第1連隊第1大隊 (1RAR) に配属されました。その後、大尉に昇格し、シドニー大学連隊や王立歩兵大隊の副官、アイルランド近衛連隊第1大隊への派遣を経て、オーストラリア王立歩兵第5・第7大隊に配属されました。

中佐昇格後は、軍事事務局上級キャリアアドバイザーや第2師団本部附、歩兵第1連隊第1大隊長を歴任。1993年には、ソマリアにおけるオーストラリア軍のソレイス作戦で同大隊を率い、その功績により殊勲十字章を受章しました。

大佐昇格後は、第1師団参謀長、アメリカ陸軍戦略大学への派遣、陸軍参謀長軍事秘書官、戦備・動員部長を歴任。准将時代は第1旅団長として東ティモールにおけるオーストラリア軍の作戦を支援しました。

少将昇格後は、オーストラリア陸軍の国土司令官 (Land Commander) を務め、中将時代は軍事能力開発部長、合同作戦部長を経て、国防軍副司令官に上り詰めました。

2011年7月4日には、大将としてアンガス・ヒューストン空軍大将の後任として国防軍司令官に就任。2012年1月にはオーストラリア軍入隊から40年となり、フランス軍参謀総長からレジオンドヌール勲章（オフィシエ）を授与されました。2014年6月30日に国防軍司令官を退任し、オーストラリア陸軍を退役しました。

ニューサウスウェールズ州総督

2014年10月2日、ニューサウスウェールズ州総督に就任。2015年3月17日には、聖ヨハネ騎士団のメンバーに叙任されました。

オーストラリア総督

2019年7月1日、オーストラリア総督に就任。エリザベス2世の即位後に生まれた人物がオーストラリア総督となるのは初めてでした。就任式では、地元のアボリジニのングナワル語でも演説を行いました。

総督在任中には、インドネシア・ナショナルデーのレセプションでインドネシア語で演説を行うなど、国際親善にも尽力しました。また、「オーストラリアン・フューチャー・リーダーズ・ファウンデーション・リミテッド」という指導者養成プログラムに補助金が支給されたものの、後に廃止されるという出来事もありました。モリソン政権下での閣僚兼務問題では、ハーレイの関与が問題視されましたが、調査の結果、批判は不当であるとされました。

デイヴィッド・ハーレイは、長年にわたる軍務と総督としての職務を通じて、オーストラリアに多大な貢献をした人物として記憶されるでしょう。

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