デザエモン

デザエモン：創造力を刺激するシューティングゲームコンストラクション

『デザエモン』は、株式会社アテナが開発・発売した、革新的なシューティングゲームコンストラクションソフトウェアです。このソフトウェアの最大の特徴は、内蔵されたツールを用いて、ユーザー自身が音楽やグラフィックを制作し、オリジナルのシューティングゲームを創造できる点にあります。単にゲームを遊ぶだけでなく、「作る」楽しみを提供することで、多くのユーザーを魅了しました。

シリーズ展開

デザエモンシリーズは、様々なプラットフォームで展開されました。

絵描衛門（デザエモン）：ファミリーコンピュータ（1991年9月13日）
デザエモン：スーパーファミコン（1994年9月30日）
デザエモン+（デザエモンプラス）：PlayStation（1996年5月24日）
デザエモン2：セガサターン（1997年10月9日）
デザエモン3D（デザエモンスリーディー）：NINTENDO 64（1998年6月26日）
デザエモン Kids!（デザエモンキッズ!）：PlayStation（1998年10月22日）
* SuperLite 1500 シリーズ〜デザエモン Kids!：PlayStation（2000年8月24日）

各作品の特徴

絵描衛門（デザエモン）

シリーズの原点となるファミリーコンピュータ版は、当時としては珍しいゲーム制作ツールでした。3ステージの縦スクロールシューティングゲームを制作可能で、グラフィックや音楽を自作のものと置き換えることができました。制約はありましたが、後のシリーズに繋がる基本的なシステムは既に完成されていました。

開発のきっかけはMSXマガジンによる制作ツール『吉田工務店』だったと中村は語っています。開発中には、任天堂から大容量RAMの提供を受けるというエピソードもあり、任天堂側の新しいものへの期待が窺えます。

描いて・作って・遊べる デザエモン

スーパーファミコン版では、ステージ数が6個に増加し、スーパーファミコンマウスにも対応しました。使用できる色数やキャラクターのサイズなども大幅に向上し、表現の幅が広がりました。サンプルゲームとして、アテナのシューティングゲーム『大王』の関連作品が収録されているのも特徴です。

パッケージ裏には「君だけのオリジナルゲームが作れる、遊べる、プロ仕様のゲームデザインソフト登場!!」というキャッチコピーが書かれていました。

デザエモン+

PlayStation版では、拡大縮小や回転機能が追加され、表現力が向上しました。アイテムの出現順をカスタマイズできるようになったため、ゲームバランスの調整も可能になりました。音楽部は音源がサンプリングし直され、音質が向上しましたが、音量バランスが異なるなどの変更点もありました。

デザエモン2

セガサターン版では、作成可能なステージ数が10個に増加し、256色パレットでの描画が可能になるなど、機能が大幅に強化されました。横スクロールタイプのシューティングゲームを制作できるようになったのも、本作からです。

デザエモン3D

NINTENDO 64版では、自機や敵機、背景などを3Dで描画できるようになりました。カメラを調整することで、様々な視点からのスクロールが可能になり、演出の幅が広がりました。しかし、NINTENDO 64のカートリッジ容量の制約から、自作できる部分が大幅に制限されるという問題点もありました。

デザエモン Kids!

PlayStation版の『デザエモン Kids!』は、初心者でも使いやすいように、画像サンプルやオンラインヘルプ機能が搭載されています。カラー数を256色に固定するなど、機能を絞り込むことで、より手軽にゲーム制作を楽しめるように工夫されています。

デザエモンの影響

デザエモンシリーズは、多くのゲームクリエイターに影響を与え、その中には、後にプロのゲーム開発者となる者も現れました。ユーザーが自由にゲームを制作できるというコンセプトは、後のゲーム制作ツールに大きな影響を与えました。

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