NINTENDO 64

NINTENDO 64 (ニンテンドウロクジュウヨン)とは

任天堂が1996年に発売した家庭用ゲーム機であり、略称は「64（ロクヨン）」、「N64」と呼ばれています。キャッチコピーは「ゲームが変わる。64が変える。」でした。

概要

スーパーファミコンの後継機として開発され、1990年代中期に「次世代機」と呼ばれたゲーム機の一つです。任天堂としては初の本格的な3Dゲームに対応し、『スーパーマリオ64』を始めとする3次元空間を自由に体感できるゲームが登場し、その操作性が特徴でした。

コントローラは端子が4つに増え、最大4人での対戦が可能となり、その後の任天堂ハードの標準となりました。また、アナログスティックが初めて搭載され、別売の振動パックを使用することで振動機能にも対応しました。

高性能である一方、ゲーム開発が難しく、ROMカートリッジの容量不足も開発を困難にしました。その結果、参入メーカーが不足し、人気シリーズであるドラゴンクエストやファイナルファンタジーがPlayStationで発売されるなどの理由から、出荷台数は同世代機に比べて伸び悩みました。

沿革

開発は1993年から始まり、「プロジェクト・リアリティ」というコードネームで呼ばれていました。SGIとの共同開発が発表され、1995年末の発売が予定されていましたが、延期されました。その後、「Nintendo Ultra 64」という名称で発表され、1996年4月21日に25,000円で発売されました。

1997年には本体価格が16,800円に値下げされ、1999年にはクリアブルーやクリアレッドのカラーバリエーションが追加されました。2000年には、ピカチュウをあしらった「ピカチュウNINTENDO64」が発売されました。

2002年4月30日にNINTENDO 64本体の生産が終了し、2007年10月31日には修理サポートも終了しました。

ハードウェア

64ビットCPU、浮動小数点数演算機能、パースペクティブ補正、Zバッファを家庭用ゲーム機として初めて採用しました。シリコングラフィックス (SGI) と共同で開発したグラフィックエンジン「RCP (Reality Co-Processor)」を搭載し、高い3Dポリゴンの演算能力と描画品質を実現しました。

ゲームソフトの供給媒体にはROMカートリッジを採用し、高速なデータ転送速度を実現しました。カートリッジにはリージョンプロテクトが施されており、日本国内版と海外版では形状が一部異なっています。

コントローラ

三つ又の形状で、中央にアナログスティック「3Dスティック」を搭載しています。Lボタン、Rボタン、Cボタン、A・Bボタン、Zボタンで構成され、持ち方によって3つの操作体系を持つことができました。コントローラの背面には周辺機器を装着できる「拡張コネクタ」があります。

周辺機器

メモリー拡張パック
振動パック
64DD
マイク
VRU
NINTENDO64 Transfer Pak
GBパック
コントローラパック
ステレオAVケーブル
S端子ケーブル
* AVセレクター

ソフトウェア

『スーパーマリオ64』、『パイロットウイングス64』、『最強羽生将棋』がローンチタイトルとして発売されました。

日本では全208タイトルが発売され、『ゴールデンアイ 007』、『ドンキーコング64』、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』など人気を博したソフトや、『風来のシレン2』など評価の高いソフトが存在します。

発売後の動向

当初は次世代ゲーム機戦争の本命として期待されていましたが、度重なる延期や開発の困難さから、PlayStationやセガサターンに比べて普及が進みませんでした。しかし、北米市場では『スーパーマリオ64』や『ゴールデンアイ 007』がヒットし、一定の成功を収めました。

評価

本体やコントローラのデザインおよび操作性は評価され、1997年にはグッドデザイン金賞を受賞しています。

NINTENDO 64は、その革新的な技術とゲーム体験で、ゲーム業界に大きな影響を与えたゲーム機と言えるでしょう。

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