デジタルエンタテインメントアカデミー

デジタルエンタテインメントアカデミー（DEA）について

デジタルエンタテインメントアカデミー（DEA）は、かつて東京都新宿区に存在したコンピュータゲーム専門の養成学校であり、ゲーム業界に特化した教育を提供していました。この学校は1991年にエニックス（現・スクウェア・エニックス）の関連会社「エニックスゲームスクール」として設立され、その後1996年にデジタルエンタテインメントアカデミーへと名称を変更しました。2009年3月31日には諸事情により閉校しました。

学校は無認可であったため、正式な専門士の資格を取得することはできず、学生割引なども利用できない不便さもありました。そのため、教育機関としての位置づけは特殊でしたが、出資企業に囲まれた環境で業界人材を育成する役割を果たしていました。学校の略称はDEAで、校内での呼称は「ディーイーエー」でしたが、関係者からは「デア」と呼ばれることが一般的でした。

学生の入学資格と代表的な特徴

DEAの入学資格は高卒であり、多くの学生が高卒者でしたが、専門学校や短大在籍者、中退者もおり、入学者の最終学歴は多様でした。入学者の平均年齢は約20歳で、年齢層も広がりましたが、学費を自分で賄うために一旦就職してから入学するケースも少なくありませんでした。学割などが使えなかったため、経済的な負担は大きく、留学生を受け入れないため、外国籍の学生が在留資格を得るためには他の学校とのダブルスクールが必要でした。

DEAでは、最新のプログラミング言語やツールについての教育が行われ、特に授業内容は多岐にわたる専門分野に分かれていました。2年制のプログラムには「プログラムエキスパートコース」や「グラフィックデザインコース」、さらにコンシューマ機を使った「マスターコース」などがありました。授業は高密度で、朝から夕方まで行われ、多くの学生にとっては通常のバイトと両立させるのが難しい状況でした。

授業内容と課題

授業は1年次は共通科目が中心で、学生は自分の希望する専攻を選びましたが、この選択が将来のキャリアにも大きく影響すると考えられていました。特定のゼミに入るには試験をパスする必要があり、これも学生にとっての負担となっていました。1年が過ぎると授業の進む速度と内容が厳しくなり、特に数学や物理の基礎が求められました。補習も用意されていましたが、全員がそれに応じられるかは学生次第でした。

なにより、最初の1年間で油断した学生は学びについていけず、苦労することもありました。特に2004年から導入された短縮コースでは、進度がさらに厳しくなっており、入学者は油断できない状況でした。

就職活動と卒業

毎年開催される制作発表会は、採用企業との繋がりを持つ重要なイベントでした。2005年には121社もの企業が参加し、生徒たちもここで実際の仕事を得るチャンスを掴んでいました。しかし、学校の卒業に必要な条件を満たさずに就職した学生は卒業できず、入学者の中にはやる気を持たずに卒業できない者も多いという厳しい現実もありました。

公式発表によれば、2006年における就職率は98.5%と謳われていましたが、実際には卒業の厳しさはあっても、徳高い学生が多くから就職を果たしていました。

最終的に、DEAは2009年に閉校しましたが、その歴史はゲーム業界に多大な影響を与え、多くの卒業生が業界で活躍しています。教育の質と就職支援の双方で高い評価を受けていたDEAの取り組みは、今もなお、後進に引き継がれています。

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