デッザ県

デッザ県について

デッザ県（Dedza）は、マラウイの中部州に位置する県で、その中心となる町はデッザ（Dedza township）です。県の面積は3624 km²で、2018年の国勢調査によれば、人口は約3万912人に達しています。この地域は、周囲の県や国境に囲まれた地理的に興味深い場所にあります。

地理

デッザ県は、北西にリロングウェ（Lilongwe）、北にサリマ（Salima）、東にマンゴチ（Mangochi）、南東にンチェウ（Ntcheu）、南にはモザンビークのアンゴニア（Angónia）やマカンガ（Macanga）に接しています。この地理的な位置から、デッザは高地にある中部地域と、標高の低い東部のマラウイ湖周辺で異なる気候条件を持っています。

デッザ町はおおよそ標高1500mに位置し、ここでは乾季の10月でも比較的涼しい気候を楽しめます。一方、マラウイ湖の近くにあたる東部は約500mの標高で、より暑い地域となっています。川の流れも特徴的で、Thiwi、Thete、Lifidzi、Diamphwe、Linthipeといった川が中西部から北に流れ、最終的にはマラウイ湖に到達します。

交通

デッザ県内の主要な交通網は非常に重要です。国道1号線（通称「M1」）はリロングウェやブランタイヤなどの主要都市を結んでおり、北西から南東に向かって貫通しています。さらに、国道5号線（通称「M5」）はマラウイ湖に沿って東部を走っており、スムーズなアクセスを提供しています。この両路線はアスファルト舗装されており、片側1車線で効率的な交通が可能です。

主要な町

デッザ県内には多くの主要な町が存在します。中部にはデッザ、カプフカ（Kaphuka）、マヤニ（Mayani）、タンバラ（Tambala）、チョンゴニ（Chongoni）、ベンベケ（Bembeke）、ンゴノーンダ（Ngonoonda）などがあります。西部にはロビ（Lobi）、シテ（Thete）、リンシペ（Linthipe）、チンビヤ（Chimbiya）、ムフォンジ（Mphunzi）などが見られ、東部にはムタカタカ（Mtakataka）、ムア（Mua）、ゴロモティ（Golomoti）があります。

産業

デッザ県の経済は、マラウイの多くの地域と同様に農業が中心です。自給自足のために主食であるメイズなどが生産されており、他にも様々な作物が育てられています。作物の中には、メイズ、サツマイモ、ジャガイモ、キャッサバ、シコクビエ、豆類、水稲などがあります。さらに、トマト、キャベツ、ハクサイ、タマネギ、カボチャなどの野菜や、マンゴー、バナナ、リンゴ、モモなどの果樹も栽培されています。

また、デッザではタバコなどの工芸作物や、山羊、肉牛、養鶏、養豚などの畜産業も盛んです。中部の山間部では林業が行われ、小規模な植林も推進されています。

観光

最近になってデッザ県でも観光地としての取り組みが始まりました。特にチョンゴニに広がる岩絵地域は、マラウイ湖国立公園に次いで2つ目のユネスコの世界遺産に登録されており、2006年に認定されました。今までに127箇所の壁画が発見されており、その中でもチェンチェレレ、ナムゼゼ、ムプンジの三ヶ所は観光客にも公開されています。

デッザの町にあるデッザポッタリー製陶所では、陶器の販売だけでなく、陶器を利用した食事を楽しめるレストランも併設されています。また、ムパラレ村では観光ツアーが実施され、チェワ族の伝統文化にも触れることができます。さらに、Muaにはクンゴニ文化芸術センターがあり、マラウイの歴史や遺産についての展示を行っています。

デッザには銀行、病院、官公庁、ガソリンスタンド、スーパーマーケットなどの生活必需施設も整っており、モザンビークとの国境にも近いことから、出入国管理事務所も設置されています。これにより、デッザ県は生活の利便性と観光の魅力双方を兼ね備えた地域となっています。

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