デニス・ビエル

デニス・ビエル（Denis Vieru、1996年3月10日- ）は、モルドバのキシナウ出身の柔道選手です。階級は66kg級で、得意技は体落とし。足技にも優れています。

7歳で柔道を始めたビエルは、2016年のU23ヨーロッパ柔道選手権大会66㎏級で優勝を果たし、頭角を現しました。2019年には、グランドスラム・パリで決勝に進出し、伏兵として注目を集めました。決勝では、ジョージアのバジャ・マルグベラシビリを体落としで破り、モルドバの選手として初めてグランドスラム大会を制覇する快挙を達成しました。

その後のグランドスラム・デュッセルドルフでは、準決勝で丸山城志郎に送襟絞めで敗れ5位に終わりましたが、グランドスラム・バクーでは地元アゼルバイジャンのニジャット・シハリザダに一本勝ちし、優勝を果たしました。また、ユニバーシアードでは決勝で桂嵐斗を小外刈で破り優勝しました。

東京で開催された世界選手権では、準決勝で韓国の金琳煥に敗れ、3位入賞を果たしました。しかし、2019年にはドーピング違反が発覚。本人の証明により、意図的、過失によるものではないと判断され、刑期は2年から8ヶ月に短縮されました。2019年6月から2020年2月の間には国際大会への出場も許可されましたが、IJF主催のグランプリ・ザグレブ及び世界選手権で獲得した世界ランキングのポイントは帳消しとなりました。

2021年7月に日本武道館で開催された東京オリンピックでは、2回戦で敗退。しかし、2022年の世界選手権では準決勝でオリンピックチャンピオンの阿部一二三に敗れたものの、3位決定戦を制し、銅メダルを獲得しました。2023年のヨーロッパ選手権では見事優勝を果たしています。

そして、2024年のパリオリンピック。準決勝で再び阿部一二三と対戦し、技ありで敗れましたが、3位決定戦に勝利し銅メダルを獲得しました。これは、モルドバの選手がオリンピックで初めて獲得したメダルとなり、歴史的な快挙として称えられました。

現在のIJF世界ランキングは、5039ポイントを獲得し、1位に位置しています（2024年7月22日現在）。

主な戦績は以下の通りです。

2016年 - U23ヨーロッパ柔道選手権大会 優勝
2017年 - ワールドマスターズ 7位
2018年 - グランプリ・アンタルヤ 2位
2018年 - グランプリ・ブダペスト 3位
2019年 - グランドスラム・パリ 優勝
2019年 - グランドスラム・デュッセルドルフ 5位
2019年 - グランプリ・アンタルヤ 優勝
2019年 - グランドスラム・バクー 優勝
2019年 - ヨーロッパ競技大会 5位
2019年 - ユニバーシアード 優勝
2019年 - グランプリ・ザグレブ 2位
2019年 - 世界選手権 3位
2020年 - ヨーロッパ選手権 3位
2021年 - グランプリ・ザグレブ 優勝
2021年 - グランドスラム・バクー 2位
2021年 - グランドスラム・アブダビ 優勝
2022年 - グランプリ・アルマダ 優勝
2022年 - グランドスラム・アンタルヤ 優勝
2022年 - ヨーロッパ選手権 3位
2022年 - グランドスラム・トビリシ 優勝
2022年 - グランドスラム・ウランバートル 5位
2022年 - 世界選手権 3位
2022年 - グランドスラム・バクー 優勝
2022年 - ワールドマスターズ 3位
2023年 - グランドスラム・パリ 3位
2023年 - ワールドマスターズ 2位
2023年 - グランドスラム・バクー 3位
2023年 - ヨーロッパ選手権 優勝
2023年 - グランドスラム・東京 3位
2024年 - パリオリンピック 3位

(出典: JudoInside.com)

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