デビッド・グリマン

デビッド・グリマン：ベネズエラのボクシング界の星

デビッド・グリマン（David Grimán Méndez）は、1967年3月10日にベネズエラで生まれたプロボクサーであり、WBA世界フライ級の元王者として名を馳せました。彼のボクシングキャリアはアマチュア時代から始まり、数々の大会で輝かしい成績を残しています。

アマチュア時代の栄光

グリマンは1986年、モスクワで開催された第1回グッドウィルゲームズに出場し、フライ級で銅メダルを獲得しました。この大会は国際的な競技力向上を目的としたもので、彼にとって初の国際舞台での活躍となりました。翌年の1987年には、インディアナポリスで行われた第10回パンアメリカン競技大会で銀メダルを獲得し、その名をさらに広めます。また、1988年のソウルオリンピックでは、ベネズエラ代表としてフライ級の競技に参加し、オリンピックの舞台でもその力を試されました。

プロボクサーとしての道

1989年3月31日、グリマンはプロボクサーとしてデビューを果たします。初期のキャリアでは順調に勝ち星を重ね、1990年12月16日には7戦目でベネズエラ国内ジュニアバンタム級タイトルを獲得しました。以降、東京の帝拳プロモーションと提携し、日本のリングでも数多くの試合に出場しました。

特筆すべきは、1991年7月20日に行われたWBA世界ジュニアバンタム級タイトル挑戦です。この試合では無敗のまま挑んだものの、敵地でタイの王者カオサイ・ギャラクシーに5回TKOで敗北。これがプロ初黒星でした。

その後、フライ級に転向したグリマンは、1992年12月15日、同国人のWBA世界フライ級王者アキレス・グスマンに挑み、12回の判定勝ちを収め、18戦目でついに世界王者に輝きます。初防衛戦では元世界2階級王者井岡弘樹に挑み、8回TKOでその名を更に高めます。続く1993年10月4日の防衛戦でも勝利し、順調なスタートを切りました。

しかし、1994年2月13日に行われた3度目の防衛戦で、タイのセーン・ソー・プロエンチットに対し、まさかの12回判定負けを喫し、王座を失いました。この敗北は彼にとって大きな試練となりました。

その後、グリマンは後楽園ホールで2試合を行い、両試合をKO勝ちで飾り、再起を図ります。1995年11月11日には中米ジュニアバンタム級王座決定戦に挑戦しましたが、元WBA世界フライ級王者ヘスス・ロハスに対し、12回判定負けを喫しました。再戦でも結果は同様で、敗北が続きました。

引退とその後

1997年7月26日、WBAラテンアメリカバンタム級王座に挑戦するものの、またもや12回判定負けとなり、王座獲得は叶いませんでした。この試合を最後に、グリマンはボクシングキャリアに幕を下ろしました。

彼の獲得タイトルは、WBA世界フライ級王座としての2度の防衛を含んでいます。デビッド・グリマンは、アマチュアからプロにかけて多くの輝かしい瞬間を築きあげ、ベネズエラのボクシング界において確固たる地位を築いた選手です。

もう一度検索