デビッド・ハッセルホフ

デビッド・ハッセルホフ：波瀾万丈な人生を歩むエンターテイナー

デビッド・マイケル・ハッセルホフ（David Michael Hasselhoff）は、1952年7月17日生まれのアメリカ合衆国出身の俳優、タレント、実業家、映画プロデューサーです。身長193cmの恵まれた体格と甘いマスクで、「ザ・ホフ (the Hoff)」の愛称で親しまれています。

デビューからスターへの階段

10代の頃からモデルとして活動を始め、21歳の時にバラエティ番組『ザ・ディーン・マーティン・ショー』に出演し、徐々にその名を知られるようになりました。がっちりとした体格と整った顔立ち、そして野性味あふれる雰囲気で注目を集め、1970年代後半からはテレビだけでなく映画界にも進出しました。

1982年に放送が開始されたテレビシリーズ『ナイトライダー』での主演は、彼のキャリアを決定づける大ヒットとなりました。このドラマで一躍スターの座を獲得し、その後も長く愛されるシリーズとなりました。また、同時期に人気を博したコメディドラマ『アーノルド坊やは人気者』にも本人役でゲスト出演しています。

歌手としての成功とベルリンの壁崩壊

俳優業と並行して歌手活動も積極的に展開し、人気を博しました。1989年1月1日には、ベルリンのブランデンブルク門で50万人のファンを前に「Looking For Freedom」を熱唱し、ドイツ、オーストリア、スイスの3か国でナンバーワンヒットを記録しました。ハッセルホフは当時を振り返り、「壁の両側で民衆の心が動くのを感じた」と語り、この年のベルリンの壁崩壊と翌年のドイツ再統一に貢献できたと述べています。

ベイウォッチと俳優としての幅

1989年からはテレビシリーズ『ベイウォッチ』に主演し、これもまた長寿シリーズとなりました。ライフガード役として鍛え上げられた肉体を披露し、世界中の視聴者を魅了しました。一方、1994年の映画『アバランチ/雪崩』では悪役を演じ、2004年の『ドッジボール』では主人公の敵役であるドイツチームの監督を演じるなど、脇役としても存在感を示す俳優となりました。

アルコール依存症との闘いと家族

2002年頃からアルコール依存症の治療のためクリニックに通院するようになります。2006年には2番目の妻パメラ・バッハと離婚し、2人の娘との共同親権を持つことになりました。2007年には、床に這いつくばって食事をするハッセルホフの姿を娘が撮影した動画がYouTubeに公開され、大きな話題となりました。娘は、この動画を公開することで父が改心し、アルコール依存症から立ち直ることを願ったと述べています。

2009年には、自宅で意識を失っているところを娘に発見され、病院に搬送されました。この時、彼の体内からはカリフォルニア州法定の飲酒運転レベルの4倍ものアルコールが検出されました。その後も、過度の飲酒により医師を殴打したり、発作を起こして病院に搬送されるなど、アルコール依存症との苦しい闘いが続きました。

再婚と近年の活動

2012年からは、27歳年下のモデルであるヘイリー・ロバーツとの交際を開始し、2018年に結婚しました。近年では、自身のパロディCMに出演したり、映画やテレビドラマにゲスト出演するなど、幅広い活動を続けています。

2014年には、車好きの富豪やスターが集まるラリーイベント「ガムボール3000」に、ナイトライダー仕様にカスタムした日産・GT-Rで参加し、スピード違反で切符を切られるという一幕もありました。

日本との関わり

『ナイトライダー』や『ベイウォッチ』といった代表作は日本でも人気を博し、ハッセルホフは日本でも広く知られています。吹き替え声優は、『ナイトライダー』関連の作品ではささきいさおが、『ベイウォッチ』関連の作品では菅生隆之が担当しています。

デビッド・ハッセルホフは、俳優、歌手、実業家として多才な才能を発揮し、波瀾万丈な人生を歩んできました。そのエンターテイナーとしての魅力は、今もなお世界中のファンを魅了し続けています。

もう一度検索